Singles (中島みゆきのアルバム)

中島みゆきの『Singles』は、彼女の初期のシングル楽曲を集めた3枚組のコレクションアルバムです。1987年8月21日にリリースされ、その後も複数回にわたり再発売されています。このアルバムは、中島みゆきのデビューから初期の音楽活動を振り返る上で非常に重要な作品と言えるでしょう。

収録されている楽曲は、1975年9月25日発売のデビュー曲「アザミ嬢のララバイ」から1986年11月21日発売の「やまねこ」までのシングル曲です。これらの楽曲が3枚のCDにまとめられており、彼女の音楽的な成長と変遷を辿ることができます。特筆すべきは、収録順が「やまねこ」からA面・B面を新しい順に並べているという点です。これにより、リスナーは彼女の音楽の進化をより鮮明に感じ取ることができるでしょう。

『Singles』には、シングルのA面だけでなく、B面曲も多数収録されている点が魅力です。アルバム未収録だったB面曲も含まれており、当時を知るファンにとっては貴重な音源集となっています。また、アルバムに収録されていた楽曲も、シングルバージョンで収録されている場合があり、アルバムバージョンとの違いを楽しむことができます。

例えば、「シーサイド・コーポラス」は元々アルバム『36.5℃』に収録されていた1番のみの曲でしたが、シングルのB面として2番が追加されました。その際の録音風景も収録されており、中島みゆきの制作現場を垣間見ることができます。「見返り美人」や「あたいの夏休み」も、アルバムバージョンとは異なるシングルバージョンで収録されています。

また、1984年に松坂慶子に提供した「海と宝石」のシングルバージョンや、1977年に山内恵美子に提供した「笑わせるじゃないか」、研ナオコへ提供した「杏村から」など、他のアーティストへの提供曲のセルフカバーも収録されており、中島みゆきのソングライターとしての才能も堪能できます。

このアルバムは、中島みゆきの初期の音楽活動を網羅的に知ることができるだけでなく、彼女の音楽的な多様性と魅力を再発見できる作品です。彼女のファンはもちろん、彼女の音楽に初めて触れる人にとっても、おすすめのアルバムと言えるでしょう。

再発盤では、パッケージが異なっていたり、Blu-spec CD2仕様のリマスターが施されていたりと、音質やコレクション性も向上しています。中島みゆきの音楽をより深く楽しみたい方にとって、これらの再発盤も魅力的な選択肢となるでしょう。

『Singles』は、中島みゆきの音楽の原点を知り、彼女の才能を改めて認識するための必聴のアルバムです。デビューから現在に至るまで、常に進化し続ける彼女の音楽の魅力を、ぜひこのアルバムで体験してみてください。

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