Smile (THE YELLOW MONKEYのアルバム)

アルバム『smile』の概要

『smile』は日本のロックバンド、THE YELLOW MONKEYによる4枚目のオリジナルアルバムで、1995年2月1日に日本コロムビア・トライアドレーベルよりリリースされました。このアルバムは、バンドの音楽の新たな方向性を示す重要な作品となっており、商業的にも大きな成功を収めました。初めてオリコンチャートのTOP10に入るなど、他のアルバムと比べても販売数が大幅に増加しました。

コンセプトと制作

前作『jaguar hard pain』がテーマに基づいた作品であったのに対し、『smile』は「ハード・フレンチ・ポップ」を目指して制作され、メンバーの「更多くの人に聴いてもらいたい」との願いが反映されています。吉井和哉はシンプルで親しみやすいタイトルにしたいという意図から『smile』という名前を選びました。また、アルバムのジャケットデザインにはスウェードのパロディが使用されています。

リリースと再発

『smile』はリリース後、1995年7月21日にはミニディスク盤が、2000年8月19日には廉価版が再発され、さらに2013年12月4日にはリマスター盤Blu-spec CD2として再度発売されました。このように、時を経ても多くのリリースがなされたことから、アルバムの人気の高さが伺えます。

収録曲と解説

このアルバムには多彩な楽曲が収められています。オープニングトラックの「Smile」では、冒頭にロシア語のナレーションが入り、他のメンバーは演奏に参加しない斬新なスタイルを採っています。「マリーにくちづけ」は前曲との接続があり、スムーズに聴かせる工夫がなされています。その後、先行シングルである「Love Communication」が登場し、スタッフの要望に応えて急遽制作された強力なナンバーです。

「争いの街」では、戦争で離れ離れになった恋人をテーマにしており、前作のコンセプトを引き継いでいます。また、全体的にコンセプトに基づき制作された曲と、メンバー自身の熱い思いが込められた曲が収められており、リスナーに強い印象を与えます。

音楽的評価

その一方で、音楽雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』では『smile』が厳しい評価を受ける場面もあり、「産業廃棄物」といった酷評が寄せられることもありました。これに対して、吉井は同誌上のエッセイで制作過程での苦労や思いを語り、意義ある作品であると反論しました。

このように、『smile』はTHE YELLOW MONKEYのキャリアの中で特に重要な位置を占めるアルバムであり、その商業的成功とメンバーの努力が結実した証となったのです。

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