SNOWFLAKES

南野陽子6作目のオリジナルアルバム『SNOWFLAKES』は、1988年12月14日、CBS・ソニーより発売された、彼女初のクリスマスアルバムです。

本作は、南野陽子にとって初のコンセプトアルバムという点で大きな意義を持ちます。全8曲の新曲は、それぞれ「夢」「希望」「涙」「悲しみ」「幸福」「孤独」「愛」といった普遍的な感情をテーマに、物語性豊かに構成されています。聴く者の心に深く訴えかける、情感あふれる楽曲の数々が収録されています。

アルバムの楽曲制作においては、作詞を康珍化、編曲を萩田光男という豪華な布陣が迎えられました。二人の才能が融合することで、『SNOWFLAKES』の世界観はより一層深みと広がりを帯びています。特に1曲目の「七つのスノーフレイク」は、全編英語詞で、アーティスト名は「UNCLE SNOW & HIS LITTLE FRIENDS」名義となっており、南野陽子は歌唱に参加していません。この楽曲の存在が、アルバム全体に独特のミステリアスな雰囲気を醸し出しています。

発売当時の規格品番は、LPが28AH-5173、CTが28KH-5173、CDが32DH-5173でした。CDとLPには、おおた慶文による描き下ろしイラスト集が封入されており、コレクター心をくすぐる豪華仕様となっていました。特にCDは、デジパック仕様で、イラスト集と共にデジパックが封入されたPP袋には金色の雪の結晶が印刷されるなど、細部までこだわった特別なパッケージングが施されていました。この豪華な仕様は、当時の音楽ファンに大きな話題を提供しました。

その後、1992年11月21日には、CDが通常のジュエルケース仕様で再発売されました。しかし、この再発売版にはイラスト集は付属していませんでした。歌詞ブックレットも、1988年の初版と比較してページ数が削減され、構成も大きく変更されたオールカラーブックレットとなっています。初版の豪華仕様を体験したファンにとっては、少し物足りない部分もあったかもしれません。

なお、本作発売前にリリースされた13枚目のシングル「秋からも、そばにいて」は、『SNOWFLAKES』には収録されていません。

『SNOWFLAKES』は、南野陽子の音楽性、そしてアーティストとしての魅力を余すことなく表現した、記念碑的な作品です。クリスマスの季節に聴きたい、心温まる名盤として、現在も多くのファンから愛され続けています。アルバム全体を彩る、美しくも切ないメロディーと歌詞は、時代を超えて聴く人の心に響き続けるでしょう。クリスマスの温かい雰囲気と、7つの感情をテーマにした物語仕立ての楽曲は、まさに冬にぴったりの一枚と言えるでしょう。

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