Spotlight (Apple)

Spotlightとは

Spotlightは、macOSに搭載されている強力な検索機能であり、その基盤技術です。macOS v10.4 Tigerから導入され、SQLiteをベースに構築されています。ユーザーは、検索フィールドにキーワードを入力するだけで、関連するファイル、アプリケーション、設定項目などを迅速に見つけ出すことができます。この機能は、2004年のWWDCでmacOSとともに発表され、その高速性が大きな注目を集めました。

Spotlightの特徴

Spotlightの最大の特徴は、ファイルシステムが持つメタデータを活用した高度な検索機能です。macOS v10.4以降、HFS Plusファイルシステムは、ファイルの内容から抽出されたメタデータを同時に格納するように拡張されました。このメタデータは、ファイル名、日付、作成者名、メールアドレス、内容などの属性情報を持ち、インデックス化されています。

ユーザーが検索クエリを発行すると、Spotlightはインデックス化されたメタデータを参照し、指定された範囲から一致する情報をランク付けして表示します。検索結果はリアルタイムで更新され、ユーザーはファイルが追加されたり変更されたりすると、すぐに結果に反映されるのを確認できます。

デスクトップ上部のメニューバーに常駐する全体検索では、ファイルの種類や日付などの特殊な指定を解析し、より自然な検索体験を提供します。また、ファイルを開いたり保存する際のダイアログにも検索フィールドが組み込まれており、目的のフォルダを容易に見つけ出すことができます。

さらに、対応アプリケーションでは、アプリケーション内のデータベースを検索するための検索フィールドが用意されています。これにより、iCalでスケジュールを検索したり、iPhotoで写真を探したり、Safariでブックマークや履歴を見つけたりすることが可能です。メタデータは検索だけでなく、プレビューにも利用されています。

Spotlightは、単なるファイル検索にとどまらず、アプリケーションの起動や設定項目の検索にも利用できます。これにより、ユーザーは目的の機能を素早く見つけ出し、作業効率を大幅に向上させることができます。

macOS v10.5からは、ネットワーク上の共有フォルダの検索にも対応し、最近閲覧したWebページの検索も可能になりました。初期のSpotlightでは日本語の形態素解析が不十分でしたが、Googleで使用されていたMeCabを採用することで、日本語検索の精度が向上しました。

Spotlightの動作と注意点

Spotlightは、検索対象を事前にインデックス化するため、旧バージョンからアップデートした際には、初期インデックスの構築に時間がかかる場合があります。また、メタデータの格納には、ディスク容量を消費するため、注意が必要です。

Spotlightの高速性は、Tigerが動作する下限クラスのMacでも実感できます。Power Mac G5以上の高速なマシンでは、入力が終わる前に検索が完了することもあります。これは、Spotlightが効率的なインデックスとリアルタイム検索機能を備えているためです。

macOS v10.5では、ネットワーク上の共有フォルダの検索に対応しましたが、NAS（ネットワークハードディスク）の検索には、ターミナルを起動しての設定が必要な場合があります。また、HFS+に依存しているため、SMBで接続されたボリュームの検索は不十分な場合があります。macOS v10.6からは、NTFSへの書き込みが可能になりましたが、SpotlightでNTFSボリュームを検索すると、システムトラブルが発生する可能性があります。

その他のプラットフォーム

Spotlightの機能は、iOSにも搭載されており、ホーム画面から利用できます。iOSでは、Spotlightではなく「検索」という名称で呼ばれています。

関連項目

Sherlock

外部リンク

アップル - Mac ハンドブック：Spotlight

もう一度検索