『stereo』(ステレオ)は、
音楽之友社から発行されている、オーディオを専門とする月刊誌です。現在のタイトル表記は小文字のアルファベット「stereo」となっています。
1963年6月に創刊され、当時のオーディオ業界は、セパレート型ステレオが登場した黎明期でした。秋葉原では、
ジャンク品から高級オーディオパーツまで、多種多様な部品が流通し始め、オーディオファンにとっては活気あふれる時代でした。この雑誌は、そうしたオーディオ熱の高まりとともに誕生しました。
『stereo』誌は、単にオーディオ機器を紹介するだけでなく、その深い知識や活用方法、関連アクセサリーの特集、音楽演奏や録音の評価など、多岐にわたる情報を提供しています。評論や随筆などの読み物も充実しており、音楽ジャンルも国内外問わず幅広く取り扱っています。このため、オーディオファンだけでなく、音楽愛好家にも広く支持されている雑誌です。
過去には、毎年恒例で、故・
長岡鉄男氏が設計したスピーカーの工作記事を掲載した号があり、その人気は非常に高く、記録的な売り上げを誇っていました。これは、自作オーディオへの関心の高さを示す象徴的な出来事でした。
近年では、特別号に力を入れており、
小冊子の付録だけでなく、オーディオファン垂涎のアイテムが添付されることが特徴です。具体例として、小口径のフルレンジスピーカーユニット、小型真空管アンプの組み立てキット、小型D/Aコンバーターの基板キット、小型デジタルアンプの基板キット、さらには音楽録音専用のカセットテープ「マクセルUD60FM」など、多彩な付録が同梱されています。これらの特別号は、内容によっては価格が2万円を超えることもあり、その高いクオリティと希少性から、多くのオーディオファンにとってコレクションアイテムとなっています。
このように、『stereo』は、長年にわたり日本のオーディオ文化を支え、オーディオファンと音楽ファンを結びつける重要な役割を果たしてきました。その歴史と信頼性は、オーディオ業界において確固たる地位を築いています。
関連雑誌としては『
レコード芸術』があります。
外部リンクとして、
音楽之友社の公式サイト内にある『月刊誌 | stereo』のページへのリンクがあります。