ジャンク品

ジャンク品とは

ジャンク品とは、故障や損耗が著しく、そのままでは製品としての機能を果たせない状態の物品を指します。英語では「Junk」と表記され、故障品と同義で扱われることもあります。販売店によっては、動作保証がない商品もジャンク品として扱われる場合があります。年式が古すぎるなど、商品価値が著しく低いと判断されたものは、動作確認をせずにジャンクコーナーに並べられることもあります。また、売り手の知識不足により、本来は利用可能な中古品がジャンク品として扱われてしまうケースも存在します。

ジャンク品は、広い意味では廃棄物の一形態と捉えることができます。これらのジャンク品を専門に扱う店は、俗に「ジャンク屋」や「ジャンクショップ」と呼ばれます。特に自動車やオートバイの分野では、解体屋やスクラップ工場が販売窓口となることが多く、「スクラップ屋」「ポンコツ屋」などと呼ばれることもあります。

ジャンク品を求める行為

ジャンク品を積極的に探求する行為は「ジャンク漁り」や「ジャンクハンター」と呼ばれます。また、「ジャンク屋巡り」「ジャンク店巡り」といった言葉も使われます。これらの言葉に明確な定義の違いはありませんが、一般的に「ジャンク漁り」は、販売されているジャンク品だけでなく、廃棄物から部品を回収するなど、より広範な行為を指すのに対し、「ジャンク屋巡り」は、店舗で販売されているジャンク品を探し求める行為を指すことが多いです。

PCパーツのジャンク品を専門に探す人々を指して「エナー」という呼称も存在します。

ジャンク品の出品形態

ジャンク品の出品形態には、故障の認知の有無と、修理の有無の二つの観点があります。動作確認を行わず、故障の有無を認知していない状態は「ジャンク扱い」となります。しかし、故障を認識している場合や、修理品であることを知りながら、それを隠して販売する行為は、景品表示法における不当表示に該当する可能性があります。また、民法第572条においても、販売者の責任が免除されることはありません。

ジャンク品の使い道

ジャンク品の使い道は多岐にわたります。

部品取りや修理
ジャンク品を部品取りとして利用し、他の製品の修理に活用します。特に古い音響機器や電子楽器では、現在では入手困難な部品が使われていることがあり、ジャンク品から部品を調達する場合があります。
自動車の場合、ターボチャージャーやショックアブソーバー、カーオーディオなどは、廃車になったものでも再利用できる可能性があります。
実用品の製造
過去には、米軍放出ジャンクなどを使って無線機を自作することも行われていました。ジャンク品から新たな実用品を製造する過程で、様々な知識や技術が習得できるため、無価値とされたものが価値あるものに生まれ変わります。
実験、撮影、練習用
家電製品の誤った使い方を再現し、危険を周知する目的で使用したり、映像作品における破壊シーンの撮影に使用したりします。また、操作や技能の練習用としても活用されます。例えば、廃車同然の自動車を「ミサイル」と称してドリフト練習に使用する例もあります。
転用
軍用品の弾薬入れをバイクの荷物入れにしたり、パソコンや通信機器のジャンク品を子供のおもちゃにしたり、ピストンエンジンのヘッドカバーを灰皿や小物入れにするなど、ジャンク品を別の用途に転用することがあります。
ジャンク品を集めて工芸品や芸術作品を制作する「ジャンクアート」も存在します。
プラモデルの部品をストックし、改造やスクラッチビルドに使用したり、壊れた家電製品やゲーム機の外装を改造して自作パソコンを制作するなど、創造的な利用法があります。
修理して使う
ジャンク品の中には、修理することで再利用できるものがあります。特に音響機器や楽器には、古いものでも価値の高いものが存在し、修理して実用レベルに戻すことができます。
複合機の場合、主要な機能の一つが壊れていても、別の機能は使えることがあります。例えば、ビデオデッキ部は壊れているがテレビ放送は見れるテレビデオや、プリンタヘッドは目詰まりしたがスキャンはできるプリンタ複合機などが該当します。
ノートパソコンの無線LAN機能が故障した場合、外付けの無線LAN子機を使用したり、液晶パネルが破損した場合は、外部モニターを接続してデスクトップ機として使用するなど、失われた機能を外部デバイスで補完することも可能です。
競技専用車や作業車
登録に必要な書類を紛失・失効した自動車を、競技専用車や構内専用作業車として利用することがあります。特に、ドリフト走行練習用として使用される車は「ミサイル」と呼ばれます。
実用品として使う
中には、単なる中古品や新品が、何らかの理由でジャンク品として格安で販売されている場合があり、そのまま実用品として使えることがあります。
観賞、学習、研究用
楽器、カメラ、軍用品、鉄道車両などのジャンク品は、インテリアとして飾ることができます。
自動車やコンピュータのジャンク品を解体し、内部構造を学ぶことができます。
既に生産されていない電子部品を解析し、互換品や相当品を作成したり、ソフトウェアエミュレーターの開発に役立てることもあります。

脚注

ジャンク品は、その状態によって様々な使い道がある一方で、不当な販売行為には注意が必要です。ジャンク品に関する理解を深めることで、より有効な活用が可能になるでしょう。

関連項目

リサイクル
スクラップ
ジャンク品 (パーソナルコンピュータ)
ニコイチ
部品取り
* ハードオフ

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