Strange Telephone

Strange Telephone（ストレンジテレフォン）

『Strange Telephone』は、インディーゲームスタジオHZ3 Softwareによって開発されたアドベンチャーゲームです。本作では、暗く不気味な異世界に囚われた少女、ジルが、電話の姿をしたキャラクター、グラハムと共に探索を進め、脱出を試みます。ゲームのメインシステムは、ジルがグラハムを介して電話をかけることで異なる空間に移動し、そこで入手したアイテムを利用しながら攻略を進めるというものです。

このゲームの特徴的な点は、可愛らしさと狂気が同居する独特の世界観です。特に、開発に影響を与えたアドベンチャーゲーム『ゆめにっき』のスタイルがうかがえます。プレイヤーはジルを操り、様々な不可思議な空間を探索しながら、彼女の脱出を手助けします。

システム

『Strange Telephone』のシステムは、プラットフォームによって異なります。iOSとAndroidには、初期バージョンと2019年にリリースされたバージョン2.0が存在し、後者が中心となっています。PC版とNintendo Switch版もバージョン2.0に基づいています。

ゲームの進行は「コア（CORE）」と呼ばれる拠点から行われます。ここでプレイヤーは大きな扉を開くための鍵を探す必要があります。様々なエンディングが用意されており、初期バージョンでは5つ、バージョン2.0以降は11通りのエンディングが存在します。プレイヤーは、特定の6桁の番号を入力することで、その番号に対応した空間に転移でき、各空間には異なるオブジェクトやキャラクターが待ち受けています。

ジルが移動できる範囲はバージョンによって異なります。初期バージョンでは選択した空間内の移動に限られていますが、バージョン2.0以降は端に移動することで左右の隣接空間へスムーズに転移することができます。電話を切ることでコアに戻り、探索を続けることが可能です。

探索の際には、画面上部にあるグリッチ（GLITCH）の値が上昇します。これが最大値に達するとゲームオーバーとなりますが、次回プレイ時には前回の入手アイテムやフラグが引き継がれます。バージョン2.0以降ではコアに戻った際にグリッチがリセットされ、より戦略的なプレイが促進されています。

開発経緯

本作は2015年4月に初めて情報が公開され、同年5月のゲームイベント「A 5th of BitSummit」で出展されました。その後、Twitterやメディアで注目を集めましたが、リリースは予定よりも大幅に遅れることになりました。この遅延は実装内容の増加やゲームエンジンの変更（libGDXからLove2Dへ）によるもので、また海外のドッターからのアドバイスを受けてグラフィックが一新されました。

その後、2017年1月27日にiOS/Android版がリリースされ、続いてPC版の開発が進められました。ゲームエンジンはUnityに変更され、2019年1月にはiOS/Android版のバージョン2.0とPC版が同時に配信されました。また、Nintendo Switch版もひそかに開発が進められ、2019年10月31日に正式発表されました。

受賞歴

『Strange Telephone』は、2017年のセンス・オブ・ワンダーナイトにおいて「Best Experimental Game Award」を受賞するなど、高い評価を得ています。

このように、独自の世界観や緻密なシステムが融合した『Strange Telephone』は、プレイヤーを魅了し続ける注目のインディーゲームとなっています。

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