Strata 3D
Strata 3Dは、Corastar社によって開発された3DCGソフトウェアです。短縮してStrataとも呼ばれます。1990年代後半から2000年代前半にかけては、世界で最も普及している3D CGソフトの一つでした。Adobe IllustratorやPhotoshopなどのアドビシステムズ（現アドビ）製品との適合性が非常に高く、アドビ製品に慣れたデザイナーやイラストレーターにとって使いやすいソフトとして広く利用されていました。
概要
Strata 3Dは、1990年代前半に人気を集めていたClassic Mac OS向けの3DCGソフト、StrataVision 3Dの後継として登場しました。1993年に高機能版のStrataStudio Proが登場すると、StrataVision 3Dは軽量版として位置づけられましたが、2000年にStrataVision 3DはStrataStudio Proと統合されました。そして、2002年にはStrataStudioのバージョン3に相当する製品が「Strata 3Dpro」の名称で販売されることになりました。
1990年代後半から2000年代前半にかけてのStrataは、当時のMacユーザーにとって身近な3Dソフトであり、アドビ製品と非常によく似たユーザーインターフェイスを採用していたため、3D初心者でも比較的簡単に使用できました。また、プロのデザイナーにとっては比較的安価（当時の日本円で十数万円程度）であり、プロフェッショナル向けソフトとしては中価格帯に位置していた点も評価されました。当時Photoshopでも擬似的な3Dエフェクトをかけることは可能でしたが、Strataを使用することで、より本格的でフォトリアルな3D表現が可能になり、3Dを専門としない2DイラストレーターやWebデザイナーなどが、簡単な3Dエフェクト（文字の立体化など）を施す際に重宝しました。最盛期にはCorastar社はユタ州南部でも有数の企業規模を誇り、中価格帯の3DCGソフトとしてLightwaveなどと並び、業界の主要ソフトウェアの一つとして認識されていました。
Strata 3Dの大きな特徴の一つは、市販の3DCGソフトとしては珍しく、ベジェサーフェス（ベジェ曲線による自由曲面）機能を搭載している点です。この機能はAdobe Illustratorのペンツールとほぼ同じ操作感で、Illustratorに慣れたデザイナーであれば、Illustratorと同じ感覚で3DCGを制作できます。Illustratorで作成したaiファイルをそのまま読み込むことも可能です。また、ラジオシティレンダリング機能も搭載されており、ソフト内でレンダリングまで完結できます。さらに、プラグイン機能を利用することで、Strataでモデリングした3Dモデルやレンダリングした画像をPhotoshopのレイヤーとして直接転送することも可能です。キーボードショートカットも、一般的な3DCGソフトの標準ではなく、Adobe製品の標準に準拠しており、Adobe製品およびAdobe製品に慣れた2Dデザイナーとの親和性が非常に高いと言えます。例えば、IllustratorのファイルをStrataで開いて3D化し、テクスチャーを貼ってレンダリングし、そのイメージをPhotoshopで開いて調整を加える、というワークフローが想定されており、統合型3DCGソフトの学習コストを抑え、「Adobe製品に奥行きが加わったもの」として捉えることが可能です。
一方で、他の一般的な統合型3DCGソフトと比較すると、ポリゴンを扱う機能は弱く、ゲーム制作などにはあまり向いていません。また、アニメーション機能も比較的弱く、ムービー制作にも適しているとは言えません。
2004年発売のStrata 3D CX 4でポリゴンモデリングとサブディビジョンサーフェス機能が搭載されました。2006年発売のStrata 3D CX 5.1では、スクリプト言語のLua言語が搭載され、Strataで作成したオブジェクトやアニメーションを使用した3Dゲームやアニメーションの開発も、当時としては比較的容易に行えるようになりました。さらに、サードパーティーによって作成されたスクリプトも用意されており、Luaスクリプトを自作しなくても3Dゲームやアニメーションの開発が可能です。このように、バージョンアップに従ってポリゴン機能やアニメーション機能は多少改善されています。2016年発売のStrata Design 3D CX 7.6では、Google CardboardなどのVRデバイスに対応しました。
また、Strata CX 5などとは別売の製品として、写真から立体的なオブジェクトを作成するStrata FOTO 3Dや、Strataで製作したモデルをVR空間で閲覧できるStrata inStudio VRも存在します。
バージョン情報
Strataのバージョンは、Strata Vision 3d → Strata Studio Pro Ver.1〜3 → STRATA 3D CX Ver.4〜5 → STRATA Design 3D CX Ver.6〜と変遷しています。CXシリーズ以前のStrataは、Strata proと呼ばれていました。
問題点
現在の最新版では解消されていますが、過去のバージョン（4.2以前のStrata pro 3D）では、「リソースパレット」と呼ばれる主要なパレットの表示に問題が起きることがありました。また、2016年現在の最新版であるStrata Design 3D CX 8.2は完全な64bit体制ではないため、MacOS Catalina（10.15）には対応していません。
外部リンク
Strata.com（英語）
日本語ページ
概要
Strata 3Dは、1990年代前半に人気を集めていたClassic Mac OS向けの3DCGソフト、StrataVision 3Dの後継として登場しました。1993年に高機能版のStrataStudio Proが登場すると、StrataVision 3Dは軽量版として位置づけられましたが、2000年にStrataVision 3DはStrataStudio Proと統合されました。そして、2002年にはStrataStudioのバージョン3に相当する製品が「Strata 3Dpro」の名称で販売されることになりました。
1990年代後半から2000年代前半にかけてのStrataは、当時のMacユーザーにとって身近な3Dソフトであり、アドビ製品と非常によく似たユーザーインターフェイスを採用していたため、3D初心者でも比較的簡単に使用できました。また、プロのデザイナーにとっては比較的安価（当時の日本円で十数万円程度）であり、プロフェッショナル向けソフトとしては中価格帯に位置していた点も評価されました。当時Photoshopでも擬似的な3Dエフェクトをかけることは可能でしたが、Strataを使用することで、より本格的でフォトリアルな3D表現が可能になり、3Dを専門としない2DイラストレーターやWebデザイナーなどが、簡単な3Dエフェクト（文字の立体化など）を施す際に重宝しました。最盛期にはCorastar社はユタ州南部でも有数の企業規模を誇り、中価格帯の3DCGソフトとしてLightwaveなどと並び、業界の主要ソフトウェアの一つとして認識されていました。
Strata 3Dの大きな特徴の一つは、市販の3DCGソフトとしては珍しく、ベジェサーフェス（ベジェ曲線による自由曲面）機能を搭載している点です。この機能はAdobe Illustratorのペンツールとほぼ同じ操作感で、Illustratorに慣れたデザイナーであれば、Illustratorと同じ感覚で3DCGを制作できます。Illustratorで作成したaiファイルをそのまま読み込むことも可能です。また、ラジオシティレンダリング機能も搭載されており、ソフト内でレンダリングまで完結できます。さらに、プラグイン機能を利用することで、Strataでモデリングした3Dモデルやレンダリングした画像をPhotoshopのレイヤーとして直接転送することも可能です。キーボードショートカットも、一般的な3DCGソフトの標準ではなく、Adobe製品の標準に準拠しており、Adobe製品およびAdobe製品に慣れた2Dデザイナーとの親和性が非常に高いと言えます。例えば、IllustratorのファイルをStrataで開いて3D化し、テクスチャーを貼ってレンダリングし、そのイメージをPhotoshopで開いて調整を加える、というワークフローが想定されており、統合型3DCGソフトの学習コストを抑え、「Adobe製品に奥行きが加わったもの」として捉えることが可能です。
一方で、他の一般的な統合型3DCGソフトと比較すると、ポリゴンを扱う機能は弱く、ゲーム制作などにはあまり向いていません。また、アニメーション機能も比較的弱く、ムービー制作にも適しているとは言えません。
2004年発売のStrata 3D CX 4でポリゴンモデリングとサブディビジョンサーフェス機能が搭載されました。2006年発売のStrata 3D CX 5.1では、スクリプト言語のLua言語が搭載され、Strataで作成したオブジェクトやアニメーションを使用した3Dゲームやアニメーションの開発も、当時としては比較的容易に行えるようになりました。さらに、サードパーティーによって作成されたスクリプトも用意されており、Luaスクリプトを自作しなくても3Dゲームやアニメーションの開発が可能です。このように、バージョンアップに従ってポリゴン機能やアニメーション機能は多少改善されています。2016年発売のStrata Design 3D CX 7.6では、Google CardboardなどのVRデバイスに対応しました。
また、Strata CX 5などとは別売の製品として、写真から立体的なオブジェクトを作成するStrata FOTO 3Dや、Strataで製作したモデルをVR空間で閲覧できるStrata inStudio VRも存在します。
バージョン情報
Strataのバージョンは、Strata Vision 3d → Strata Studio Pro Ver.1〜3 → STRATA 3D CX Ver.4〜5 → STRATA Design 3D CX Ver.6〜と変遷しています。CXシリーズ以前のStrataは、Strata proと呼ばれていました。
問題点
現在の最新版では解消されていますが、過去のバージョン（4.2以前のStrata pro 3D）では、「リソースパレット」と呼ばれる主要なパレットの表示に問題が起きることがありました。また、2016年現在の最新版であるStrata Design 3D CX 8.2は完全な64bit体制ではないため、MacOS Catalina（10.15）には対応していません。
外部リンク
Strata.com（英語）
日本語ページ
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