Strv m/41

Strv m/41：スウェーデンの軽戦車

Strv m/41（ストリッツヴァグン m/41）は、スウェーデンが第二次世界大戦中に運用した軽戦車です。この戦車は、チェコスロバキアのTNH戦車をライセンス生産したもので、スウェーデン軍の機械化に重要な役割を果たしました。

開発の経緯

スウェーデン陸軍は、それまで使用していたランツヴェルクL-60系列の軽戦車に限界を感じていました。そこで、より高性能な戦車を求めていたところ、チェコスロバキアのTNH戦車に注目しました。

1939年末、スウェーデンはTNH Svとして90両を発注しましたが、1940年3月にナチス・ドイツがチェコスロバキアを接収したため、この契約は破棄されました。しかし、スウェーデンは代わりにライセンス生産権と、開発中の軟鋼の提供を受けることになりました。これにより、スウェーデンは自国でTNH戦車を生産することが可能になったのです。

開発はL-60系の調達と並行して進められ、1941年6月には生産体制が整いました。同年秋にはスカニア-VABIS社に116両のTNH戦車が発注され、1942年12月から1943年8月にかけて納入されたこれらの戦車には、「m/41」の型番が付与されました。

初期型（SI型）

初期型は「SI型」として知られ、エンジンにはm/40と同じ145馬力の直列6気筒液冷ガソリンエンジン、スカニア=ヴァビス 1664を採用していました。重量は10.5トン、最大装甲厚は25mmでした。主砲は国産化されたm/38 ボフォース37mm戦車砲を搭載していましたが、戦車の急速な進歩により、完成時にはすでに旧式化していました。

改良型（SII型）

1942年には、機甲師団の拡充に合わせて、改良型である「SII型」122両が発注されました。SII型は、車内容積の拡大や装甲厚の増大といった改設計が施されました。また、エンジンもより高出力のスカニア-VABIS L603に変更されました。これにより、重量が増加したものの、燃料搭載量の増加など多くの利点を持つ改良型となりました。

122両のうち18両は、自走砲型であるSav m/43として完成し、さらに18両が追加生産されています。SII型は1943年10月から1944年3月にかけて生産され、Sav m/43を除いた総生産量は220両となりました。

運用

SI型は、ストレングネースの第3機甲連隊（P3）に全車両が配備されました。SII型は、ショーヴデの第4機甲連隊（P4）を中心に配備され、一部がヘッスレホルムの第2機甲連隊（P2）や予備車として第3機甲連隊にも配備されました。

1950年代末になると、残存していたStrv m/41はPbv 301装甲兵員輸送車に改装されました。撤去された砲塔は基地防備用として1990年代まで使用されました。現在、現存するStrv m/41は、Sav m/43の車体と基地に配備された砲塔を組み合わせて再生したものです。

各型式

SI型：初期型。116両生産。
SII型：後期型。122両発注、104両生産。
Sav m/43：自走砲型。SII型の内18両をこの型に変更。
Pbv 301: 装甲兵員輸送車。1950年代末にStrv m/41を改造したもの。220両全てが改造。

Strv m/41は、スウェーデン軍の機械化において重要な役割を果たした戦車であり、その開発と運用は、スウェーデンの軍事技術の一端を示しています。

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