Studie

Studie：BMWを駆るレーシングチームの軌跡

Studieは、BMW専門のカスタムカーショップStudie AGを母体とする、日本のモータースポーツチームです。SUPER GT、スーパー耐久といった国内主要レースシリーズへの参戦に加え、ブランパンGTシリーズ・アジアでも活躍。特に2018年と2019年にはGT4クラスで2年連続チャンピオンを獲得するなど、国際舞台でもその実力を証明しています。

黎明期：初音ミク痛車とSUPER GTへの挑戦 (2008年～2009年)

2008年、StudieとGLAD JAPAN（現・アドバンスステップ）によるジョイントチーム「Studie & GLAD with AsadaRacing」が結成。市販BMW Z4をベースに改造した「初音ミク Studie GLAD BMW Z4」でSUPER GTに参戦しました。初音ミクをデザインした「痛車」仕様のマシンは大きな話題となり、多くのファンを魅了しました。しかし、デビュー戦となる鈴鹿1000kmはレギュレーション違反で出走できず、続く第7戦もてぎでもエンジントラブルに見舞われ、実質的なデビューは最終戦富士スピードウェイとなりました。完走は果たしたものの、チーム成績は下位に終わりました。

2009年は「Studie GLAD Racing」としてSUPER GTに参戦。マシンは前年と同じでしたが、予選では中位グリッドを獲得できるまで進化を遂げました。しかし、レース中のトラブルにより思うような結果を残せず、シリーズランキングも中位にとどまりました。この2008～2009年に使用されたマシンは、現在グッドスマイルレーシング本社ビルで静態保存されています。

グッドスマイルレーシングとの連携と発展 (2010年～2013年)

2010年は一旦「AS StudieRacing」として参戦が予定されていましたが、スポンサーの変更により、グッドスマイルレーシングと共同で「GOOD SMILE RACING with COX」を結成。Studie代表の鈴木康昭氏はスポーティングディレクターとしてチームを支えました。2011年には「GSR & Studie with TeamUKYO」として、BMW Z4 GT3で参戦し、シリーズチャンピオンを獲得という快挙を達成しました。2012年は2台体制で挑みましたが、思うような結果には至らず。2013年も1台体制で参戦し、シリーズ4位という成績を残しました。

新たなステージへ：BMWワークスカラーとチーム名の変更 (2014年～)

2014年、グッドスマイルレーシングとの共同参戦を終了し、「BMW Sports Trophy Team Studie」として独立。BMWワークスカラーのZ4 GT3で参戦を開始しました。ドライバーには、BMWワークスドライバーのヨルグ・ミューラーと荒聖治を起用。2016年には、BMW Motorsportからチーム名に「BMW」を冠することを認められ、「BMW Team Studie」に改名。これは世界で7チーム、日本では唯一の称号となりました。車両はM6 GT3へと変更し、メンテナンスチームもアイフェルモータースポーツへと移行しました。

その後もSUPER GTやスーパー耐久、ブランパンGTシリーズ・アジア、GTワールドチャレンジ・アジア・ジャパンカップなど、様々なレースシリーズに参戦。2021年にはSUPER GTでチーム初優勝を達成しました。近年は、マシンを新型M4 GT3に変更し、ドライバー陣もBMWワークスドライバーを起用するなど、さらなる進化を遂げています。SUPER GTに注力しつつ、スーパー耐久シリーズへのサポートも継続しています。

マシンとスポンサー

マシンのデザインは、初期は初音ミクをデザインした痛車仕様が話題を呼びました。2014年からはBMWワークスカラーを採用。スポンサーもグッドスマイルレーシングからSteiff、SABON、DIXCEL、オオミヤ、LUMIX、東都BMW、PLUS SPORTS、UNICORN、VORWERK、Yostarなど、多様な企業が支援しています。

まとめ

Studieは、初音ミク痛車による華々しいデビューから、BMWワークスチームとして成長を遂げ、常に進化を続けるレーシングチームです。その歴史と戦績は、モータースポーツ界における存在感を示すものであり、今後の活躍にも期待が高まります。

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