Su-28 (航空機)

Su-28について

Su-28（ロシア語: Су-28）は、ロシアのスホーイ社が開発した戦闘機Su-25の派生型の一つです。この機体は、主に教育訓練を目的とした練習機として位置づけられています。とりわけ、製造時の工場名称はT8-UTであり、時にはSu-25UT（Su-25の教育訓練バージョン）とも呼ばれます。

開発の背景

1980年代、スホーイ社は従来の練習機であったL-29とL-39の性能に限界を感じ、より高度なトレーニングが可能な機体の開発に着手しました。それらの練習機は操縦性や推力重量比において、当時の訓練に必要な基準を満たしていなかったためです。このような問題を解決するために、スホーイ社はSu-25UTの開発を提案しました。

最初の型であるT8-UB1（赤201）は、1987年6月に初めて完成し、その後の修正を経て同年7月に試験が行われました。初飛行は1987年8月に行われ、ヴォルゴグラード市で行われたスポーツイベントにも参加し、3位に入賞する結果を残しました。この試作機はその後Su-28（T8-UT1）として改称され、2年近くにわたる広範なテストが実施されました。

機体デザインと性能

Su-28は、基本的にSu-25UBを基にした設計ですが、武装やアビオニクス、装甲は全て取り外されています。また、防弾用の燃料タンクのゴム皮膜処理も省かれています。この変更により、機体のバランスを保つために同等の重量のバラストを装備し、全体の重量を約2,000kg削減することに成功しました。その結果、推力重量比も大きく向上しました。

さらに、機体には4つのパイロンが設置されており、最大800Lの増槽を装着可能です。その一方で、未舗装の滑走路での運用を考慮し、高い信頼性とメンテナンス性を維持している点も特徴です。

主な仕様

以下に、Su-28の基本的な仕様を示します。

• - 乗員: 2名
• - 全長: 15.36m（ピトー管を含む）
• - 全高: 5.2m
• - 翼幅: 14.36m
• - 翼面積: 30.1m²
• - 空虚重量: 9,000kg
• - 最大離陸重量: 17,222kg
• - 動力: ソユーズR-95Shターボジェットエンジン×2基（44.18kN）

パフォーマンス

Su-28は優れた飛行性能を持ち、次のような性能指標を誇ります。

• - 最大速度: 950km/h
• - 巡航速度: 750km/h
• - 航続距離: 2,150km（増槽装備時）
• - 実用上昇限度: 7,000m
• - 上昇率: 60m/s
• - 離陸滑走距離: 450m
• - 着陸滑走距離: 500m
• - 着陸速度: 220km/h

開発の終了とその影響

しかしながら、1990年代にはその後の金融危機の影響で、Su-28のプロジェクトは凍結されてしまいました。それでも、Su-28の開発過程で得られた技術的知見は、後にSu-25UTGという艦載練習機の開発に活用されています。Su-28は、その革新的なアプローチと訓練機としての重要な役割により、軍用機の進化に大きく寄与しました。

もう一度検索