Su-34 (航空機)

Su-34（スホーイ34）

Su-34（スホーイ34）は、ロシアのスホーイ社が開発した戦闘爆撃機で、Su-27の発展型です。この機体はロシア空軍では多機能航空機とも呼ばれ、NATOでは「フルバック」として知られています。

開発の背景と現状

1980年代、ソ連空軍はSu-24の後を継ぐ戦闘爆撃機を求めていました。それに応えてスホーイ設計局が開発したのがSu-34です。この機体は複座型で、Su-27の技術を基にしており、1994年には量産型の初号機が飛行しました。しかし、資金難のため一時的に生産が停止されることもありました。

2000年代初頭からは生産が再開され、数回にわたる契約を通じてロシア空軍へ納入されています。また、Su-34は2008年のモスクワのパレードでも披露され、Su-24との関係が強調されました。

機体の特長

外観と構造

Su-34は独特の外観を持ち、その機首は大きなレドームと流線型が特徴です。並列配置の二名座席のコックピットは、左席が操縦士、右席が兵装担当士官となっています。また、機体にはエアインテークやカナード翼が配置されており、機動性が高い設計になっています。

コックピット

コックピットは17mmのチタニウム装甲により保護され、酸素マスクが必要ない環境が整えられています。内部には電子機器が搭載されており、操縦士と兵装担当士官は各々異なる計器にアクセスできます。特に、ヒューマンインターフェースとしてヘルメット装着式照準器の使用が可能です。

エンジン性能

Su-34はターボファンエンジンを2基搭載しており、高速飛行が可能です。最高速度はマッハ1.13にも達する一方、最大離陸重量は45トンを超える機体です。航続距離も長く、約7,000kmに達します。

電子機器と兵器システム

Su-34には高性能なレーダーが装備され、空対地攻撃能力が強化されています。また、自己防御機能としてジャミングポッドやレーダー警報受信機も搭載しており、敵のミサイルから自身を守る能力を持っています。

兵器搭載能力も高く、約8トンの兵装を搭載することができ、空対地ミサイルや様々な種類の爆弾を運用可能です。さらに、GSh-30-1機関砲も装備されています。

運用実績

ロシア空軍では57機の量産型が運用されており、特にシリア内戦や最近のウクライナ侵攻においても使用されています。その戦闘行動半径や攻撃力から、Su-34は様々な任務をこなすことができる多機能爆撃機としての地位を確立しています。

海外の運用

アルジェリアでは、MiG-25の後継機としてSu-34の導入が決まっており、少数の機体が発注されています。将来的な運用の広がりが期待されています。

まとめ

スホーイ34は、ロシアの最新技術を集めた戦闘爆撃機として多機能性、高い機動性、長い航続距離を誇る機体です。今後の運用においても、戦闘機としての重要な役割を果たすことが期待されています。

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