Su-37 (航空機)

Su-37: スホーイ37の概要

はじめに

Su-37、またはスホーイ37は、ロシア連邦のスホーイ設計局によって製造された単座双発の戦闘機で、技術実証機としての役割を果たしていました。愛称は「ターミネーター」で、NATOコードネームでは「フランカーE2」としても知られていますが、広くはターミネーターやスーパーフランカーと呼ばれています。この機体は、Su-27を基にした進化型であり、その設計と運用に関する多くの革新が採用されました。

設計と開発

1983年、ソビエト連邦政府はSu-27の改良に関する命令を出し、それを受けてスホーイは推力偏向技術の研究に入りました。この研究は、Su-27の設計主任であるミハイル・シモノフ氏の強い要請により、スホーイ設計局とチャプルイギン・シベリア科学航空研究所により推進されました。推力偏向ノズルの開発は、1980年代の西側陣営における報道とも対照的に、進行しました。

初号機のSu-37は1996年4月2日に初飛行し、その飛行試験では優れた操縦性能を証明しましたが、2002年には構造上の不具合から墜落事故を起こしました。この事故は、機体が設計された荷重を超えたことで引き起こされたものでした。

機体の技術的特性

Su-37は推力偏向ノズルを特徴としており、これにより高い運動性能が実現されました。機体はカナード翼を装備し、デジタル式フライバイワイヤによる飛行制御システムを導入しているため、非常に高い操縦性を誇ります。このシステムは推力偏向機能と直結しており、機体が高迎角や低速での maneuvers でも優れた性能を発揮します。

また、Su-37にはN011Mと呼ばれる進化したレーダーシステムが搭載されています。これにより、空対空及び地対空の同時運用が可能で、追尾能力も向上しています。以前のモデルに比べ、同時攻撃可能な目標数が倍増し、戦闘能力が改善されました。

運用史

Su-37はその優れた操縦性を活かし、様々な航空ショーでパフォーマンスを披露しました。1996年のファーンボロー国際航空ショーでは、特に注目を浴び、スーパーコブラなどの機動を披露しました。テストパイロットは、推力偏向技術が近接戦闘において機体に優位性を与えると信じていました。しかし、その実用性については批評があり、運動エネルギーの喪失が懸念されました。

しかし、Su-37は輸出されることなく、飛行試験プログラムの終了を迎えました。特に、2002年の墜落事故がその運用を終わらせる大きな要因となりました。スホーイ設計局はこの経験を踏まえ、他の機体への技術導入を行い、特にSu-30MKIの開発において、Su-37で得られた推力偏向能力を活かしました。

仕様

主要スペック

• - 乗員: 1名
• - 全長: 21.935m
• - 全幅: 14.698m
• - 全高: 5.932m
• - 翼面積: 62.0m²
• - 空虚重量: 18,500kg
• - 最大離陸重量: 34,000kg
• - 動力: AL-37FU推力偏向ターボファンエンジン×2
• - 最大速度: 2,500km/h
• - 航続距離: 3,300km

兵装

• - GSh-30-1 30mm機関砲×1
• - 各種ミサイルや爆弾の装着が可能なハードポイント（最大14箇所、最大8,200kgまで）

結論

Su-37はその革新的な技術と機動性から、現代の戦闘機の設計に影響を与え続けています。特に、その推力偏向機能は後の機体設計においても多くの価値を提供しました。スホーイの技術者は、この機体の開発を通じて、新世代の戦闘機への道を切り開いたのです。

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