Su-39 (航空機)

Su-39に関する概要

Su-39（ロシア語: Су-39）は、ロシアのSu-25戦闘機を基にした進化型です。この機体は、工場名称T8TMやSTRIKE SHIELDとも呼ばれ、独自の新技術を搭載しています。

開発背景

Su-39の開発は1986年に始まり、ソ連軍事産業委員会の指導の下で進められました。基本となるSu-25Tを元にした全天候型の設計が、次第に具体化していったのです。その中でも注目されたのは、レーニネツ製のキンジャールミリ波レーダーポッドやTskb Geofizika製のコホットFLIRポッドを組み込んだ高度な照準システムです。

1990年代初頭には、試作機が複数改造され、初飛行も実施されました。特に1991年2月4日に行われたT8TM-1の初飛行は、このプロジェクトにとって重要なマイルストーンとなりました。各テストでは、新たな電子戦システムや火器管制システムが実装され、その性能をさまざまな条件で評価しました。しかし、試験の結果、一部の新装備が信頼性の面で期待を下回ったため、代わりに新たなレーダーポッドの搭載が決定されました。

量産に向けた準備は1993年から始まり、特に1994年から1995年を通じて、いくつかの重要な飛行試験が行われました。1996年にはSu-39と正式名称が与えられ、これ以降は本格的な評価と試験が続きます。

設計と性能

Su-39は、Su-25Tの機体構造を引き継ぎつつ、いくつかのアビオニクスシステムが改良されています。最大の特徴は、N027コピヨー25レーダーポッドを装備している点です。このレーダーは、空中目標を最大70kmの距離で追尾でき、同時に10目標を監視する能力を持っており、戦闘の幅を広げています。

航空機の航法・射撃管制システムも進化し、A-737航法装置やシクヴァルMが搭載されています。これにより、精度の高い自動目標捕捉が可能となり、さらには地上の脅威を感知しレーザー誘導の弾薬照準までも行うことができます。

武装面においては、強力なレーダーシステムが搭載され、R-77やR-27ミサイル、Kh-31A、Kh-35Uの発射が可能に。電子妨害システムも進化しており、特にMSP-410は敵のレーダーを欺くための新技術が搭載されています。

運用状況

ロシア空軍は、これらの機体を運用しており、1998年にはポーランドでのライセンス生産の提案も行われましたが、実現には至りませんでした。

仕様概要

標準的な戦闘状態でのペイロードは4,000kg、最大離陸重量は20,500kg、動力はターボジェットエンジンを二基搭載します。最大速度は950km/hであり、失速速度は175km/h、航続距離は2,500kmに達します。

結論

Su-39はSu-25の進化版として位置づけられ、高度な電子機器と武装を持ちながら開発が進められました。高性能な電子戦能力を搭載しており、現在のロシア空軍にとっても重要な役割を果たす機体です。技術的な進化により、近代戦における要求に応えるための可能性を秘めているといえるでしょう。

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