Su-6 (航空機)

Su-6 (スホーイ6) 概要

Su-6は、ソ連のスホーイ設計局によって開発された攻撃機で、Il-2の後継機として1939年にその開発が始まりました。最初の2機の試作機が1940年3月に発注され、翌年の3月1日に初飛行を果たしました。この試作機は前任機であるIl-2より優れた性能を持っていましたが、エンジンの寿命が尽きたためテストは中断されました。

その後、試作2号機の製作は独ソ戦による工場の疎開の影響を受け、初飛行は1942年1月に実施されました。2号機もまた高い性能を示したため、設計局は量産の準備を進めていましたが、Il-2の生産ラインはフル稼働しており、生産切り替えのリスクを考慮した結果、Su-6の生産は見送られました。

複座型 (S2A)

続いて開発された試作3号機は、後方防護を強化するために後部銃座が取り付けられた複座型でした。これにより、機体の重量が増加し、爆弾の搭載量が半分に減少しましたが、エンジンは改良型のシュヴィェツォーフ M-71Fに換装され、最高速度もIl-2に比べて100 km/h向上しました。しかし、M-71Fエンジンの生産中止により、代わりに液冷のミクーリンAM-42エンジンに変更されたことで、性能はIl-10に劣るものとなり、最終的に不採用となりました。

Su-6は量産には至りませんでしたが、その開発の功績により、設計者のパーヴェル・スホーイは1943年にスターリン国家賞第一級を受賞しました。

Su-7の開発

1942年、スホーイ設計局はSu-6(A)をベースにした混合動力戦闘機Su-7を開発しました。この機体は、当初はスーパーチャージャー付きの高高度戦闘機として計画されましたが、元々のSu-6が攻撃機であるため機体が重かったため、尾部にロケットエンジンを追加することになりました。この改造により、最高速度は510 km/hから705 km/hに向上し、ロケットエンジンの有用性が示されましたが、燃焼時間が4分しか持たず信頼性に乏しいものでした。

最終的には、1945年のテスト中にエンジンが爆発し、その後計画自体が中止されました。

Su-6 スペック (S2A)

• - 全長: 9.24 m
• - 全幅: 13.50 m
• - 全高: 3.89 m
• - 翼面積: 26.00 m²
• - 空虚重量: 4,000 kg
• - 最大離陸重量: 5,534 kg
• - 最大速度: 514 km/h
• - エンジン: シュヴィェツォーフ M-71F 空冷星型18気筒 2,200 hp
• - 航続距離: 973 km
• - 実用上昇限度: 8,100 m
• - 上昇力: 5000 mまで10.6分
• - 武装: 23mm機関砲 2門、12.7mm機関砲 1門、7.62mm機銃 2門
• - 爆弾搭載量: 200 kg
• - 乗員: 2名

Su-6は、その優れた性能と試作に至る過程において、当時の航空機設計における重要なステップであったといえるでしょう。

もう一度検索