T comes back

T-SQUAREの『T comes back』は、2003年9月18日にリリースされたリアレンジ・アルバムであり、彼らの輝かしいキャリア25周年を記念する作品です。

このアルバムの特徴は、「T-SQUARE and FRIENDS」という名義が示すように、T-SQUAREの歴史を彩ってきた歴代メンバーに加え、日本のフュージョン界を代表するバンド、カシオペアから野呂一生と神保彰が参加している点です。彼らがT-SQUAREの楽曲をセルフカバーすることで、往年の名曲に新たな息吹が吹き込まれました。

収録曲の中でも特に注目すべきは、5曲目の「Mirage in the Valley」です。この曲は、1980年代のライブで伊東たけしと和泉宏隆によって演奏されていたデュオ曲で、ライブビデオ『CONCERT LIVE "ADVENTURES"』には「MIRAGE」というタイトルで収録されていました。しかし、これまでCD化されることはなく、本作で初めてその貴重な音源を聴くことができるようになりました。

アルバムのジャケットイラストは、リーダーである安藤まさひろ自身が手掛けています。さらに、ジャケットはマルチ・ジャケット方式を採用しており、4種類の絵柄の中から好きなものを選んで使用することができます。その中には、デビューアルバム『Lucky Summer Lady』の裏ジャケットを復刻したものも含まれており、ファンにとっては嬉しいサプライズとなっています。

また、『T comes back』は、T-SQUAREのアルバムとして初めてSACD/CDハイブリッドが採用された作品でもあります。これにより、高音質で音楽を楽しむことが可能になり、T-SQUAREの音楽の新たな魅力を発見することができます（オリジナルアルバムでは2004年の『GROOVE GLOBE』から採用）。

収録曲は以下の通りです。

1. T comes back - 安藤まさひろ作曲・編曲
2. Omens of Love '03 - 和泉宏隆作曲、RESONANCE-T・河野啓三編曲、宮崎隆睦ホーン・サックス編曲
3. Kapiolani - 安藤まさひろ作曲・編曲
4. El Mirage - 和泉宏隆作曲、RESONANCE-T編曲
5. Mirage in the Valley - 和泉宏隆作曲
6. 勇者 (YUH-JA) - 則竹裕之作曲、RESONANCE-T編曲
7. Lily of the Valley - 安藤まさひろ作曲

参加ミュージシャンは以下の通りです。

T-SQUARE
安藤まさひろ: Guitar
伊東たけし: Sax, Ewi, Flute

『T comes back』は、T-SQUAREの25年の歴史を凝縮した、ファン必聴の記念碑的作品と言えるでしょう。過去の楽曲を新たな解釈で蘇らせるとともに、SACD/CDハイブリッドという新しい技術を取り入れることで、T-SQUAREの音楽の可能性をさらに広げています。長年のファンはもちろん、フュージョン音楽に興味がある人にとっても、聴きごたえのあるアルバムです。

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