T-2 (航空機・日本・初代)

T-2とT-3：日本の偵察機の歴史

T-2は、大日本帝国陸軍向けに石川島飛行機が開発した偵察機です。この機体の名称に含まれる「T」は「偵察機」を示し、陸軍の様々な要求に応じた性能を備えていました。T-2の設計と開発、続く改良モデルT-3についての詳細を、ここで探ります。

開発の背景

1925年8月、陸軍は新しい偵察機の試作について、三菱航空機、中島飛行機、川崎造船所飛行機部、そして石川島の四つの航空機製造会社に指示を出しました。これにより、乙式一型偵察機の代替となる新型偵察機の競争が始まりました。

石川島飛行機では、グスタフ・ラハマン技師の指導のもと、吉原四郎技師が中心となり設計が進められました。1926年8月には設計が完了し、同月中に試作が発注されました。1927年7月には試作一号機が完成、続いて11月には二号機が完成し、両機は12月に陸軍航空本部技術部飛行班へと納入されました。

T-2の特徴と問題点

T-2は、木製の骨組みに羽布張りの複葉機として設計され、一号機にはイスパノ・スイザ製の水冷V型12気筒エンジンが、二号機にはBMW-6エンジンが搭載されていました。木製骨組の採用はコスト面や製造のしやすさがあったものの、審査飛行中に補助翼が破損し、機体が損壊する事故が発生しました。このことから、機体の強度に課題があると認識され、二号機は全金属製の骨組みに改造されることになります。

T-3の改良

1928年に改造されたT-3は、胴体の骨組みを鋼管製に、翼の骨組みをジュラルミン製に変更することで、強度の向上と軽量化を実現しました。また、補助翼のバランス・タブにも改良が施されました。しかし、T-3の完成時には、すでに川崎航空機のKDA-2が制式採用となることが決まっていたため、T-3を含む他社の試作機は採用されないこととなりました。

T-3のその後

その後、T-3は1932年に陸軍から朝日新聞社に払い下げられ、改造を受けた後、1939年頃まで通信機として活用されました。また、T-2以前にはT-1も計画されていましたが、実際の製造には至っていませんでした。

参考文献と関連項目

この機体に関するさらなる詳細は、野沢正著の『日本航空機総集』に記載されています。他にも、八八式偵察機（KDA-2）や鳶型試作偵察機、N-35など、日本の航空史に関する関連項目として興味深いものがあります。

このように、T-2とその改良型T-3は、日本の航空技術の進化を象徴する重要な機体といえるでしょう。

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