TAMA (ゲーム)

『TAMA』: セガサターンの象徴的なパズルゲーム

『TAMA』（たま）は、1994年11月22日に日本のタイムワーナーインタラクティブからリリースされたセガサターン用のパズルゲームです。この作品は、セガサターンのローンチタイトルの一つとして登場し、独特なゲームプレイで多くのプレイヤーに親しまれました。ユーザーはコントローラーを使って迷路盤を傾け、主人公「たま」を転がして目標地点へと導く、3D玉転がしの新しいスタイルのゲームです。

開発背景とスタッフ

本作は、ゲームギア用ソフト『マジカルパズル ポピルズ』を手掛けた天内潤が企画し、グラフィックデザインには根本健一や岡野道生らが参加しました。音楽はメガドライブ用ソフト『ヴイ・ファイヴ』の横山賢司が担当し、ゲーム全体の雰囲気を引き立てています。また、メインプログラマーには山本修が名を連ね、開発チームは多彩なスタッフで構成されていました。

同年の12月3日にはPlayStation版も登場し、両プラットフォームでリリースされることとなります。

ゲームの内容

ゲームは「悪だま」によって破壊された幻想的な世界が舞台です。プレイヤーは森や岩山などの迷路を抜け、「悪だま」と呼ばれる敵の存在する最上階を目指します。興味深い点は、本作では主人公「たま」を直接操作するのではなく、フィールド全体の回転や傾斜を調整してたまを導く独特のシステムが採用されていることです。このような操作方法は、プレイヤーに新しい体験を提供し、戦略的な思考を促します。

また、一般的なパズルゲームとは異なり、高度な物理演算とテクスチャマッピングが必要な本格的な3Dパズルゲームとしての側面も持ち合わせています。これにより『TAMA』は次世代機の能力を活かしたゲームとして、当時の技術革新を体現していました。

他機種版の評価

セガサターン版の『TAMA』は、ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」で21点（満点40点中）を獲得し、また『SATURN FAN』の読者投票においては19.3点（満30点）という評価を得ていました。しかし、セガサターンの前世代機であるメガドライブで多くの成功を収めたサードパーティーの作品でありながら、『セガサターンマガジン』ではその評価は低いものでした。

PlayStation版も同様に評価を受けており、『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計20点を獲得し、『PlayStation Magazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」では16.0点（満30点）という評価が寄せられました。

まとめ

『TAMA』は、リリース当時の技術を駆使した個性的なパズルゲームとして、多くのプレイヤーに影響を与えました。独自のゲームシステムと世界観は、玉転がしというコンセプトを新たな楽しさに変え、今も多くの人々に親しまれています。次世代機の可能性を示す作品として、今後も語り継がれることでしょう。

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