TBS大型時代劇スペシャル

大型時代劇スペシャル

『大型時代劇スペシャル』は、TBSテレビが1987年から1997年にわたって放送した時代劇テレビ映画のシリーズです。この番組は元日や改編期に特別放送され、視聴者に楽しんでもらうことを目的としていました。シリーズには、映画やテレビドラマで活躍する多くの俳優や監督、スタッフが参加しており、各作品はそれぞれの魅力で彩られています。

放送は全体を通じて非常に人気があり、多くの作品がDVDとしても販売されています。ただし、作品によっては例外もあり、『坂本龍馬』や『大忠臣蔵』、『愛と野望の独眼竜 伊達政宗』などはそれに含まれません。特に、大忠臣蔵はその壮大なスケールとストーリーによって、多くの人々に記憶されています。

制作の背景

このシリーズの製作は、TBSから東映のプロデューサーである日下部五朗に依頼される形で始まりました。彼は当時、映画『道』の制作に携わっており、その成功を受けてテレビドラマの制作を求められました。過去に正月に放送された沢田研二主演の『源氏物語』は、期待したほどの成果を上げられなかったため、新たな試みとして東映が白羽の矢を立てられたのです。

日下部はテレビドラマのプロデュースへの意欲があまりなかったものの、『道』の監督である蔵原惟繕の言葉によって気持ちを変えました。彼はTBSとの会食の場で「3億円で5時間の時代劇ドラマを作る」という依頼を受け、条件を交渉しました。この際、制作に関する自由度を確保するため、「企画に口を出さない条件」で受け入れられるように交渉を進めました。

制作の自由と交渉

日下部は、東映の社員プロデューサーという立場でありながら、岡田茂社長が支持する範囲で自由に制作することができました。岡田社長は非常に独裁的な経営者であったため、日下部は彼の許可を得れば制作において自由を持つことができます。しかし、岡田社長は様々な理由で特定の監督の起用を却下してきた経緯もありました。

日下部は岡本喜八監督を非常に尊敬しており、常に彼と一緒に仕事をしたいと思っていましたが、岡田社長からの拒絶に悩まされていました。しかし、岡田が関与しない状況が生まれたことで、ついに岡本監督とのコラボレーションが実現しました。

歴代作品とその魅力

1987年に放送された最初の作品『太閤記』から始まり、1995年に放送された『愛と野望の独眼竜 伊達政宗』まで、全て日下部のプロデュースにより製作されました。このため、それぞれの作品は東映映画の特性が色濃く反映され、旬の若手俳優やアイドルをキャスティングすることで視聴者に新鮮な体験を提供していました。

現在の評価

このシリーズは、時代劇ファンにとって忘れられない存在であり、名作として記憶されています。TBSの新春ドラマスペシャルや、新春ワイド時代劇など、今でも多数のフォロワーが存在しますが、元となる『大型時代劇スペシャル』の影響力は根強いものがあります。

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