THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-

『THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-』について

『THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-』は、1997年に公開された映画『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の主題歌として広く認識されています。この曲は、同映画の第25話「Air」のエンディングロールに合わせて流れる印象的な楽曲であり、観客に深い感動を与えました。

シングルリリース

この楽曲が収録されたシングル「THE END OF EVANGELION」は、1997年8月1日にスターチャイルドから発売されました。このシングルはオリコンシングルチャートで最高2位を記録し、これはエヴァ関連のシングルCDの中での最高記録です。興味深い点として、本作はアニメの主題歌としてではなく洋楽としてリリースされたことが挙げられます。

曲の制作背景

作曲を担当したのは、音楽家の鷺巣詩郎です。彼によると、初めからこの曲の制作が依頼されたわけではなく、映画の制作にあたっての緊張感を保つために自主的に創作したものだったそうです。そのデモを聴いた庵野秀明監督が、すぐにこの曲を主題歌として採用した経緯があります。

楽曲のテーマ

「THANATOS」という言葉は、ギリシア神話における死の神を指し、作品内では死の衝動や悲しみを象徴する要素として扱われています。本楽曲では、男女の悲しい別れが描かれ、特にサビの部分で「What am I, if I can't be yours」（あなたのものになれないなら、私には存在する価値もない）という歌詞が印象に残ります。

追加リリース

2006年5月24日には「魂のルフラン」との両A面扱いでマキシシングルが発売され、その中には新たにリミックスされた「THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS- “Nine Years After Mix”」も収録されました。さらに、2016年に発売された『ShiroSAGISU OUTTAKES FROM EVANGELION (VOL.1)』には、「Nine Years After Mix」を新たにリミックスした「E13 nineteen years after mix」も収められています。

ボーカルアーティスト

この楽曲を歌っているのはイギリス・ロンドン出身の歌手LOREN（ロレーン）で、彼女の本名はLorrain Briscoeです。LORENはこの曲を歌った後も鷺巣詩郎の音楽作品に多く参加し、アルバム『SHIRO'S SONGBOOK』シリーズなどへもボーカルとして参加しました。また、個人名義でも『Up All Night』や『PHIX-UP!!』というアルバムをリリースしています。

収録内容

シングル「THE END OF EVANGELION」には、以下の楽曲が収録されています：
1. THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-（歌: LOREN & MASH、作詞: MASH、作曲: Shiro SAGISU）
2. Komm, süsser Tod（歌: ARIANNE、作詞: Hideaki ANNO、英訳: Mike WYZGOWSKI、作曲: Shiro SAGISU）
3. II Air（作曲: J.S.BACH）

また、2006年のシングル「魂のルフラン/THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-」にも本曲が収録されており、多くのリスナーに親しまれています。

このように『THANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-』は、エヴァンゲリオンの深さと魅力を引き出す重要な楽曲であり、今も多くのファンに愛されています。

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