THE COMPLETE SS

『THE COMPLETE SS』 - Sound Schedule 初のベストアルバム

Sound Scheduleにとってキャリア初となるベストアルバム、『THE COMPLETE SS』は、2006年9月20日にDANGUY RECORDSより世に送り出されました。これは、彼らの通算5作目のアルバム作品としても数えられます。

前作『ビオトープ』から約1年半の期間を経てリリースされた本作は、当時の彼らにとって非常に重要な意味を持つ作品でした。それは、グループの解散が決定していた中、開催されたファイナルツアー「Sound Life 〜ありがとう〜」の初日に合わせて発表されたからです。バンドのこれまでの音楽活動の軌跡を網羅し、ファンへの感謝を込めた、事実上の集大成といえる内容となっています。

収録内容の構成

本作は全2枚組で構成されており、それぞれのディスクにSound Scheduleが活動期に生み出した数々の楽曲が収められています。合計で21曲というボリュームで、彼らの多様な音楽性を楽しむことができます。

Disc1 - シングルと新たな楽曲

Disc1には、彼らがこれまでに発表したシングル作品の中から、特に代表的な表題曲が9曲厳選されて収録されています。これには、映像作品とセットでリリースされたシングルに含まれる楽曲も含まれており、彼らのヒットナンバーを網羅しています。

加えて、このベストアルバムのために特別に制作された新曲が2曲収められています。1曲目の「同じ空の下で」は、このアルバムのために新たにレコーディングされた楽曲です。もう1曲の「クライマックス」は、Jリーグ所属のプロサッカークラブ、ジュビロ磐田のイメージソングとして使用されたタイアップ楽曲となっています。

これらの楽曲の多くは、ボーカルの大石昌良が作詞・作曲を手掛けていますが、「アンサー」や新曲の「同じ空の下で」では川原洋二が作曲に参加しており、「クライマックス」では大石、川原、鈴木兼隆の共作となっています。全曲の編曲はSound Schedule自身が行っています。

Disc1 収録曲リスト

吠える犬と君 [4:41]
君という花 [4:15]
幼なじみ [4:33]
ピーターパン・シンドローム [4:35]
ことばさがし [5:33]
さらばピニャコラーダ [3:38]
スペシャルナンバー [4:26]
アンサー [5:08]
甘い夜 [3:38]
同じ空の下で（新曲） [4:39]
クライマックス（新曲） [4:19]

Disc2 - カップリング楽曲

Disc2には、彼らがこれまでにリリースしてきたシングルのカップリング曲の中から選ばれた、珠玉の10曲が収められています。シングル表題曲とはまた異なる魅力を持つ楽曲たちが揃っており、バンドの持つ音楽性の奥行きを感じさせます。

Disc1と同様に、Disc2の楽曲も大石昌良が作詞・作曲を手掛けたものが中心ですが、「コンパス」は川原洋二が作曲を担当しています。編曲はすべてSound Scheduleによるものです。

Disc2 収録曲リスト

シチューが飲みたくなる唄 [5:10]
あなたを想う旅 [4:28]
竜巻 [4:56]
人の子ふたり [4:56]
燃やせ煩悩 [4:14]
花火 [5:27]
わけあり [3:45]
ミーティング [3:35]
コンパス [4:11]
* 黄金レシピ [5:02]

初回限定盤の特典映像

本作の初回限定盤は、CD EXTRA仕様となっており、通常の音楽CDに加え、パソコンで再生可能な映像特典が収録されていました。ここには、「世直しブッダ」「IQ兄弟」「同じ空の下で」といった楽曲のライブパフォーマンス映像や、「甘い夜」のプロモーションビデオが含まれています。当時の彼らの熱量あるステージや、ミュージックビデオの世界観を垣間見ることができる、ファンにとっては嬉しい特典でした。

アルバムが持つ意義

Sound Scheduleが初のベストアルバムとして発表した『THE COMPLETE SS』は、彼らの約8年間にわたる活動の集大成であり、解散という一つの区切りを迎えるにあたって、これまでの軌跡を振り返る重要な作品となりました。シングルヒット曲から隠れた名曲であるカップリング曲、そして新たな楽曲までを網羅することで、バンドの「完全」な姿を示すベスト盤として、今なお多くのファンに聴き継がれています。ファイナルツアーと同時にリリースされたことは、ファンへの感謝と、これまでの音楽活動への誇りを示すメッセージとも受け取れます。

もう一度検索