THE KING OF FIGHTERS XIII

『THE KING OF FIGHTERS XIII』：アッシュ編の終焉とKOFイズムの復活

『THE KING OF FIGHTERS XIII』（以下、『XIII』）は、SNKプレイモア（現SNK）が開発・発売した対戦型格闘ゲームです。『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズにおいて、アッシュ編三部作の最終章を飾る作品として、2010年7月14日にアーケード版がリリースされました。約10年ぶりの夏の稼働ということもあり、多くのファンから注目を集めました。

アーケード版のリリース後、不具合修正版であるVER1.1が同年10月にリリース。その後、家庭用ゲーム機版（PS3/Xbox 360）が2011年12月1日に発売されました。家庭用版では、アーケード版からの大幅なゲームバランス調整が実施され、より洗練されたゲーム性を実現しています。

家庭用版をベースに更なる調整が加えられた『THE KING OF FIGHTERS XIII CLIMAX』（以下、『CLIMAX』）が、2012年4月26日にアーケード版として逆輸入されました。これはシリーズナンバリングタイトルとしては初の試みです。さらに、NESiCAxLive対応版も2013年9月12日にリリース。そして、PC版（Steam、GOG.com）が2013年9月14日に配信されました。そして、2023年にはNintendo SwitchとPlayStation 4|PlayStation_4で『THE KING OF FIGHTERS XIII GLOBAL MATCH』が発売。更にスマートフォン版も2011年から2012年にかけて2作品がリリースされ、幅広いプラットフォームで楽しむことができました。

ストーリー：アッシュの壮絶な戦い

『XIII』のストーリーは、前作までの出来事を引き継ぎ、アッシュを中心とした物語が展開されます。アッシュは、前作で「八尺瓊の勾玉」を手に入れ、「三種の神器」のうち2つを手に入れた状態でした。残るは京が持つ「草薙の剣」のみ。

今大会は、何者かの陰謀によって史上空前の規模で開催され、表向きはルガールの娘であるローズ・バーンシュタインが主催者として名を連ねています。しかし、彼女はアッシュの祖先にして、「遥けし彼の地より出る者」の首領である斎祀に操られていました。

斎祀の目的はオロチの力の獲得。アッシュは、これまで斎祀の計画に協力しているように思われていましたが、実はその真意は斎祀の野望を阻止することでした。

最終決戦では、アッシュは斎祀を自身の体に封印しようと試みますが、逆に斎祀に体を乗っ取られてしまいます。しかし、アッシュは斎祀の支配に抵抗し、自らの体ごと斎祀を消滅させることに成功します。

斎祀の消滅により歴史は改変され、アッシュ自身も歴史から抹消されるという、壮絶な結末を迎えます。

ゲームシステム：KOFイズムの復活と新要素の融合

『XIII』では、前作『XII』で導入されたシステムが廃止され、新たなゲームシステムが導入されました。「ハイパードライブゲージ」とそれに関連した「EX必殺技」、「NEO MAX超必殺技」、「MAXキャンセル」などが追加され、戦略性の幅が広がっています。ゲームスピードも従来のKOFシリーズのようにスピーディーになり、『95』以来となる脱衣KOも復活しています。

キャラクター：おなじみの顔ぶれと新たな参戦

『XII』からのキャラクターはほとんど続投。主人公のアッシュはエディット専用キャラクターで、メインチームはエリザベートチームとなっています。エリザベートは本作のヒロインとして活躍します。

また、『餓狼伝説』シリーズからの参戦キャラクターもおり、ゲームの幅を広げています。

開発：こだわり抜かれたゲームデザイン

開発においては、「KOFイズムの復活」が一つのコンセプトでした。従来のKOFシリーズの魅力を踏襲しつつ、新しいシステムとの融合が試みられています。

ステージデザインにおいても、世界規模の格闘大会というコンセプトのもと、様々な仕掛けが施されたステージが用意されています。開発スタッフは、世界観を表現しつつも、プレイヤーにとって分かりやすいデザインを心がけたとのことです。

評価：高い評価とシリーズへの影響

『XIII』は、シリーズの中でも高い評価を得ており、『Video Game Awards 2011』のベスト格闘ゲーム部門にもノミネートされました。『XIV』のシステムにも影響を与えた、重要な作品と言えます。

『THE KING OF FIGHTERS XIII』は、シリーズの歴史に大きな足跡を残した、記憶に残る作品です。

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