THE LAST LIVE〜最後の夜〜

THE LAST LIVE〜最後の夜〜

1997年12月31日、日本のロックバンドX JAPANの解散コンサート『THE LAST LIVE〜最後の夜〜』が東京ドームにて行われました。このライブは、解散発表から約3ヶ月後に実施された重要なイベントであり、ファンにとっても心に残る特別な夜となりました。

解散の背景

X JAPANは、1997年9月22日に解散を発表しました。ライブの開催告知は同年11月に行われ、例年行われていた東京ドームでの2DAYSライブは今年は1日のみに短縮されました。チケットはS席（11,000円）、A席（10,000円）、B席（9,000円）で販売され、ステージ背後から観覧できる席も設けられました。

パフォーマンスの様子

この夜のステージでは、メンバー間の関係性の変化も垣間見えました。3曲目の「SCARS」の演奏中、ボーカルのTOSHIが言葉に詰まり、側にいたギタリストHIDEが「TOSHIくん、パーッと。パーッと。」と声を投げかける瞬間がありました。この微妙なやりとりは、TOSHIとHIDEの最後のコミュニケーションとしてファンの記憶に残っています。

さらに、4曲目の「DAHLIA」演奏中には、ドラムを叩くYOSHIKIの背後でTOSHIが歌っている様子が見られましたが、YOSHIKIの表情は複雑です。演奏後、YOSHIKIがドラムを破壊するという象徴的な行動もあり、観客の感情を揺さぶりました。後のパフォーマンス「紅」でも、TOSHIがYOSHIKIに向かって歌う場面がありましたが、YOSHIKIはじっと目を合わせないままでした。

ライブのクライマックスでは、アンコールの「Forever Love」において、YOSHIKIとTOSHIが抱き合う感動的なシーンが展開されました。また、YOSHIKIは「最初はぶんなぐってやろうと思ってました。でも、そこにいたのは、幼馴染のTOSHIだった。」と述べ、二人の関係性について触れました。

ライブのフィナーレ

ライブの最後には新曲「THE LAST SONG」が披露され、その後のSEとして「Tears」が流れます。最後の瞬間には、これまでのX JAPANの歴史を振り返る映像が流れ、メンバーからファンへのメッセージも表示されました。ドームの空には花火が打ち上げられ、X JAPANの最後の夜が幕を閉じる状況が演出されました。

紅白歌合戦とメディアへの影響

ライブ終了後、X JAPANは渋谷のNHKホールに移動し、第48回NHK紅白歌合戦で「Forever Love」を演奏しましたが、TOSHIの喉は限界に達しており、満足に歌唱する状態ではありませんでした。このコンサートは翌年1月4日深夜にTBSでノーカット放送され、その後もNHK BS2やスペースシャワーTVで放映されましたが、一部編集が施されています。

再結成とその後

YOSHIKIは、このコンサートも『紅白』も「最後ではない」と考えており、2000年に再結成の計画を進めていましたが、HIDEの死去によってその夢は踏みにじられました。その後、約10年間はコンサートを開催せず、YOSHIKIとTOSHIも会うことがありませんでした。しかし、2007年には再結成が実現し、変化の時代が幕を開けます。

録画と映像のリリース

ライブの様子は、後に『THE LAST LIVE VIDEO』としてDVDやVHSで発売されますが、「ENDLESS RAIN」以降の映像は収録されておらず、視聴には制限がありました。2011年にYOSHIKIが編集作業を終えたと報告し、同年10月に完全版DVDがリリースされました。さらに、2013年にはBlu-ray Disc形式で内容がアップコンバートされ、この伝説的ライブの記録は今もなお多くのファンに親しまれ続けています。

このように、『THE LAST LIVE』はX JAPANにとっての別れの瞬間であり、新たな出発の基となる出来事でもありました。

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