THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE

アルバム概要

『夜行性のかたつむり達とプラスチックのブギー』は、日本のロックバンドTHE YELLOW MONKEYの初のオリジナルアルバムで、1992年6月21日に日本コロムビア・TRIADレーベルからリリースされました。2000年と2013年には、それぞれ廉価版とリマスター版が発表され、音楽ファンの間で評価を受け続けています。

ジャケットデザイン

アルバムジャケットにはデビューシングル『Romantist Taste』と同様にカタツムリが描かれています。このアイデアはボーカルの吉井和哉の発案によるもので、彼はデヴィッド・ボウイのアルバムジャケットから影響を受けて制作したと語っています。また、ジャケットデザインに力を入れることで、当時はあまり目立たなかったバンドの存在感を高める狙いもありました。

制作過程

アルバムのレコーディングは河口湖のスタジオで行われ、合宿形式で進められました。しかし、エンジニアとの音のイメージの食い違いから制作は困難を極めました。特に吉井は「Foxy Blue Love」の音がニルヴァーナのように激しいものであることを拒否し、「1975〜76年のフィンガー5やピンク・レディー」のようなサウンドを再現するよう要求しました。

吉井は「音を重ねすぎてレコード会社のスタッフから怒られることもあったが、最終的には良い曲に仕上がった」と振り返ります。特にストリングスのアレンジにはこだわり、アレンジャーと共に譜面を作成したことが、自身の納得のいく音楽作りにつながったと言います。

評価と批評

本作は、ヘヴィメタル専門誌『BURRN!』の1992年7月号で評価され、70点という結果を得ました。元々はメタルバンドのメンバーだった彼らがメタル要素をほとんど排除したことに対して、「HM/HRファンからはくだらない作品と見なされるかもしれない」と批評されつつも、バンドの新しいスタイルに対する評価も存在しました。特に若いリスナーには「ちょっと変わったロック」として受け入れられ、良くできた歌謡曲とも見なされています。

アルバム収録曲『審美眼ブギ』は、メディアでの本作の評価が低かったことを皮肉った内容になっています。

収録曲の詳細

• - Song For Night Snails: 全編ファルセットで歌われており、過去にはライブであまり披露されていない曲。

• - Subjective Late Show: バンドブームへの皮肉を込めた歌詞で、特にライブでの演出が特徴的。

• - Oh! Golden Boys: 武道館公演に向けて書かれた曲であり、初披露が期待されていました。

• - Neurotic Celebration: ジャパニーズメタルの影響を受けていたバンドのルーツが感じられます。

• - Chelsea Girl: 特定の事件にインスパイアされた歌詞が印象的です。

• - This Is For You: 同性愛をテーマにした儚い内容を持っています。

• - Foxy Blue Love: アップテンポでありながらセクシャルな内容が含まれています。

• - 真珠色の革命時代: 吉井の個人的な感情を表現したバラードで、ライブでも感動的なシーンが多く見られました。

• - Romantist Taste: バンドのデビューシングルであり、彼らのスタイルを確立させた重要な曲。

• - Walkin' In Sunshine: 過去の過ちを振り返る内容の楽曲です。

クレジット

• - THE YELLOW MONKEY

吉井和哉：ボーカル、エレキギター、アコースティックギター、パーカッション
菊地英昭：エレキギター、バックグラウンドボーカル
廣瀬洋一：ベースギター、バックグラウンドボーカル
菊地英二：ドラムス
参加ミュージシャン
古川貴司：キーボード
藤田忍、土屋美佳子：女性ボーカル
前田グループ：ストリングス
小林正弘：トランペット

このアルバムはTHE YELLOW MONKEYの音楽の始まりを象徴するものであり、その後のキャリアに大きな影響を与えました。

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