TITANE/チタン

『TITANE/チタン』

概要

『TITANE/チタン』（原題：Titane）は、2021年に公開されたフランス・ベルギー合作のドラマ映画で、ジュリア・デュクルノーが監督と脚本を手掛けています。この作品は、ボディ・ホラー要素を含む物語で、主人公アレクシアの過去と現在を描きながら、彼女の異常な経験を通して人間関係の本質に迫ります。アレクシア役には、アガト・ルセルがキャスティングされ、他にヴァンサン・ランドンなどが共演しています。

受賞歴

本作は、2021年7月に行われた第74回カンヌ国際映画祭でのワールドプレミアにおいて、最高賞であるパルムドールを受賞しました。デュクルノー監督は、女性としては史上2人目かつ初の単独受賞者となり、この業績は高く評価されています。さらに、第94回アカデミー賞の国際長編映画賞にフランスの出品作として選ばれましたが、最終的な候補には残りませんでした。同年の第47回セザール賞では、デュクルノー監督が最優秀監督賞に、ルセルが主演女優賞にノミネートされるなど、多くの部門で評価を受けています。

ストーリー

物語は、子供の頃のアレクシアが父の運転する車の中で事故に遭い、脳にチタンを埋め込まれるところから始まります。成人したアレクシアは、モーターショーでのパフォーマンスを通じて人気を博しますが、その裏には複雑な心理が隠れています。ある夜、彼女はファンに襲われ、残虐な行動に出てしまいます。その後、アレクシアは連続殺人犯としての追跡を逃れながら、失踪した少年アドリアンとしての偽りの人生を送ることを決意します。

彼女は自分の過去を隠し、消防署の署長であるヴァンサンと偽の親子関係を築くことになります。ヴァンサンは、彼女を息子として受け入れる中で、自身の過去のトラウマと向き合います。

アレクシアが妊娠する展開から、物語はさらに緊迫感を増していきます。彼女の妊娠は、彼女の身体や精神に対する変化をもたらし、最終的には衝撃的な結末を迎えます。アレクシアが出産を迎えるシーンでは、チタンが破裂し、彼女は命を落としてしまうという過酷な運命が描かれます。

評価

本作は、観客から高い評価を受けており、Rotten Tomatoesでは95％の支持を得ており、Metacriticでも概ね好意的なレビューが寄せられています。インディワイヤーのデヴィッド・エーリッヒは、本作が独特な視点を持つ作品であると評価し、現代における人間関係の複雑さを揺さぶる寓話的な要素が感じられると述べています。また、ハリウッド・レポーターの評論では、観客に驚きと感動を同時に与える試みが強調されています。

まとめ

『TITANE/チタン』は、衝撃的なビジュアルと深いテーマに挑戦した作品であり、見る者に強烈な印象を残します。その中で描かれる人間の絆や存在の意味を探求する過程は、万人にとって共鳴する内容となっています。

もう一度検索