TMGE 106

thee michelle gun elephantのベスト盤『TMGE 106』：2000年の軌跡

2000年12月13日、コロムビアミュージックエンタテインメントより、thee michelle gun elephant（以下、thee michelle gun elephant）の2枚目のベストアルバム『TMGE 106』がリリースされました。アナログ盤も同時発売という力の入れようで、当時からの熱心なファンのみならず、多くのリスナーを魅了しました。

このアルバムには、2000年までに発表された楽曲の中から厳選された曲が収録されています。特徴的なのは、それまでアルバムに収録されていなかったシングル曲やカップリング曲が多数含まれている点です。これにより、彼らのディスコグラフィを網羅的に楽しむことができる、まさに集大成と言える内容となっています。

選曲を手掛けたのは、メーカーディレクターである渡辺佳紀氏。氏の慧眼によって、thee michelle gun elephantの音楽的魅力が余すことなく表現されています。しかし、この選曲には、バンドメンバーの強い意向も反映されている点が興味深いです。メンバー自身の要望により、『RUMBLE』からの収録と、当時最新シングルであった「ベイビー・スターダスト」は除外されています。

特にチバユウスケ氏の発言は象徴的です。「ベスト盤なんて客観的にメーカーが作るもんだろ」という、彼らしいコメントはプレス資料を通じて発表され、バンドのスタンスを明確に示しています。商業的なベスト盤とは一線を画す、彼ら独自の視点が感じられる選曲と言えるでしょう。

初回盤には、蓄光塗料を使用したジャケットが採用されています。暗闇で光る特殊なジャケットは、所有する喜びをさらに高める、コレクター心をくすぐる演出と言えるでしょう。

アルバムタイトルの『TMGE 106』は、2000年9月時点でのthee michelle gun elephantの楽曲総数が106曲であったことに由来しています。この数字が、彼らの充実した活動と、膨大な楽曲数を象徴的に示していると言えるでしょう。

収録内容としては、シングルバージョンとして初収録となる「G.W.D」やアルバム未収録だった「アウト・ブルーズ」、「VIBE ON!」など、ファン垂涎の楽曲が満載です。「why do you want to shake?」では、インディーズ時代の楽曲が、アルバム初収録ながら、エンディングの歓声部分はカットされた形で収録されています。また、「Baby, please go home」はアナログ盤収録ミックスバージョンで収録、さらにシングル「スモーキン・ビリー」のカップリング曲「ジェニー」も、アルバム初収録という貴重な選曲となっています。

『TMGE 106』は、単なるベストアルバムという枠を超え、thee michelle gun elephantというバンドの歩み、そして音楽性そのものを凝縮した作品と言えるでしょう。彼らの音楽を深く理解したい、あるいはこれから知りたいというリスナーにとって、必聴の一枚です。

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