TNAレスリング

TNAレスリングについて

TNAレスリング（Total Nonstop Action Wrestling）は、アメリカのプロレス団体であり、2002年5月10日に設立されました。設立者はジェリー・ジャレットとジェフ・ジャレットの親子で、当初はNWA（National Wrestling Alliance）と提携し、「NWA-TNA」とも称されていました。旗揚げ戦は同年6月19日にナッシュビルで行われましたが、資金不足の影響で早くも経営難に見舞われました。このため、ジェリー・ジャレットはテキサス州のエネルギー企業「パンダ・エナジー」に出資を依頼し、カーター・ファミリーに経営権を譲渡しました。

運営と興行

TNAは、他の多くのインディー団体が収入不足で苦境に立たされる中、経費を抑え、収入を確保する戦略を採用しました。これには、興行の固定開催場所や安定した放送収入が含まれます。また、契約選手があまり専属契約を結んでいないため、他の団体との交流も活発に行われています。対照的にWWEなどはほぼ専属契約選手のみで興行を行っています。

TNAの初期の興行は、週1回のPPV（ペイパービュー）によってのみ提供されていましたが、それが人気を博し、段階的に週刊番組「TNA IMPACT!」と「Xplosion」、さらに月1回の3時間PPVイベントへと進化していきました。また、初期の興行はナッシュビルのTNAアサイラムを中心に開催されていましたが、現在はフロリダ州オーランドのユニバーサル・スタジオで全番組の収録を行っています。時折、他の都市でもハウスショーを開催し、成長を続けています。

TNAの歴史

NWAとの提携が2002年から開始され、運営企業名も2002年に「TNAエンターテイメント」と改名されました。2004年、団体名を「TNA」に変更し、2005年からはSpike TVで「TNA Impact」として放送され始め、さらに競争相手であるWWEに対抗する存在感を示しました。

特に、2006年には元WWEの人気選手カート・アングルとの契約が発表され、これは多くの注目を集めました。そして、2009年にはハルク・ホーガンとエリック・ビショフが契約し、2010年にはWWEとの直接的な対抗戦ともいえる「マンデー・ナイト・ウォーズ」が行われるなど、TNAは一時期大きな盛り上がりを見せました。

ブランド変更と提携

2011年には「TNA Impact」が「Impact Wrestling」と改名され、その後も多くの提携先と業務を進めてきました。特に、2017年にはカナダのアンセム・スポーツがTNAの85%の株式を取得し、運営名も変わり、団体名は「インパクト・レスリング」に改称されました。

2022年にはDAZNとの契約を発表し、国際的な配信を拡大。また、2024年1月1日には再び団体名をTNAに戻し、ライバル団体であるWWE・NXTとの提携を開始すると発表しました。

日本との交流

TNAは日本とも密接なつながりを持ち、日本人レスラーも頻繁に参加しています。有名な選手としては、獣神サンダー・ライガーや棚橋弘至、オカダ・カズチカなどが挙げられます。2000年代には、日本のWRESTLE-1との業務提携を結び、選手の相互派遣や合同興行を行っていました。近年は新日本プロレスとも交流を進めているものの、他団体との提携状況は変化しているようです。

PPVイベント

TNAのPPVイベントには、現在も人気の「Slammiversary」や「Bound for Glory」があります。過去の記録的なイベントには「Genesis」、「Victory Road」、「Hard Justice」などがあり、これらは多くのファンに支持されています。

まとめ

TNAレスリングは、その設立以来、さまざまな困難を乗り越え、独自の路線を展開してきました。運営戦略や国際的な提携を通じて、今もなおプロレス界での存在感を示し続けています。

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