TOHOシネマズ日劇

TOHOシネマズ日劇

TOHOシネマズ日劇（とうほうシネマズにちげき）は、東京都千代田区有楽町に位置する映画館で、TOHOシネマズ株式会社によって運営されていました。この映画館の歴史は長く、1984年の開業から2018年の閉館まで、約84年にわたって多くの映画ファンに親しまれてきました。

概要

TOHOシネマズ日劇は、有楽町マリオンの中にあり、11階には「スクリーン1」、9階には「スクリーン2」と「スクリーン3」がありました。その名前は、かつてこの地に存在した「日本劇場」に由来しています。1984年の開業時から2002年まで、映画館の名称は「日本劇場」、「日劇東宝」、「日劇プラザ」でしたが、2002年の改装以降はそれぞれ「日劇1」、「日劇2」、「日劇3」という名称に変更され、総称は「日劇PLEX」となりました。さらに、2006年には運営会社が東宝株式会社からTOHOシネマズ株式会社に変更されました。

歴史的な背景

2002年の改装によって、座席が大型化し、より快適な鑑賞環境が整備されましたが、その反面、各スクリーンの定員数は減少しました。この年から、全席指定制も導入され、観客の利用しやすさが向上しました。特にレイトショーは、2007年から実施され、特定の作品を20時以降に上映する形式が定着しました。これにより、単館系作品や記念上映など、多様なプログラムが可能となり、人気作品が連日上映されることもありました。

芸術性と多様な上映作品

TOHOシネマズ日劇では、多くの名作が上映されました。例えば、「ゴジラ」や「タイタニック」といった大ヒット映画は、この館のスクリーンで観ることができました。また、さまざまなジャンルの洋画や邦画が含まれており、特に多くの観客が訪れる人気シリーズや話題作が上映されることが多かったです。これにより、映画愛好者には特別な上映体験が提供され、多くの人々の記憶に残る場所となりました。

閉館とその後

2018年3月29日には、三井不動産が中心となった「東京ミッドタウン日比谷」が開業するに伴い、TOHOシネマズ日劇は2018年2月4日に閉館しました。閉館の際には、数多くの映画が上映され、多くの観客が訪れました。最後の上映では、『ゴジラ』を含む数作品が選ばれ、上映後には当館にゆかりのある宝田明が登壇し、感慨深くも温かい語りを披露しました。支配人の挨拶では、「1億人以上のお客さまに愛されてきた」と感謝の言葉が述べられ、ここでの84年の歴史に終止符が打たれました。

映画館の未来

跡地には、約900席を持つ貸ホール「ヒューリックホール東京」とプラネタリウムを中心とした複合型映像体験施設「コニカミノルタプラネタリア TOKYO」が開業しており、TOHOシネマズ日劇が持っていた映画文化の精神は新たな形で受け継がれています。

このように、TOHOシネマズ日劇はただの映画館以上の存在であり、映画ファンの心に深く刻まれる思い出の場所でした。

もう一度検索