TRIAL (the pillowsのアルバム)

the pillowsの18枚目のアルバム『TRIAL』は、バンドにとって新たな試練とも言える挑戦が込められた作品です。アルバムタイトルは「試練」を意味し、その名の通り、これまでの彼らの音楽性を踏襲しつつも、新たなサウンドへの探求が感じられます。

収録されている楽曲は、シングルとしてリリースされた「Comic Sonic」と「エネルギヤ」を含む全10曲。初回版には、「トライアル」のミュージックビデオを収録したDVDが付属し、さらに初回プレス分にはオリジナルステッカーと「TRIAL TOUR」の先行予約パスワード、そして他の2作品（『エネルギヤ』、『WE ARE FRIENDS』）との連動特典応募券が封入されるなど、ファンには嬉しい特典が盛りだくさんです。

メンバーそれぞれのお気に入りの曲も興味深く、山中さわおはこのアルバムで最も良い声で録れたという理由から「ポラリスの輝き 拾わなかった夢現」を、真鍋吉明は「Ready Steady Go!」、佐藤シンイチロウは「Revival」を挙げています。これらの選曲からも、アルバム全体のバラエティに富んだ音楽性が伺えます。

特に注目すべきは、収録曲の中でも最長となる「持ち主のないギター」です。この曲は、山中のソロライブで先行披露されたもので、the pillowsの楽曲としては異例の長さとなっています。これまでの最長楽曲は「キミとボクとお月様」（7:09）でしたが、それを大幅に更新しました。

また、「Flashback Story」と「エネルギヤ」は元々「Comic Sonic」のカップリングとして制作された経緯があります。「Flashback Story」は歌詞がレコーディング時に間に合わずアルバム収録となりましたが、「エネルギヤ」はメンバーからの評価が高く、シングルとしてリリースされることとなりました。これらのエピソードからは、楽曲制作における試行錯誤や、メンバー間の相互作用が感じられます。

「トライアル」のミュージックビデオでは、雪のシーンが印象的ですが、これは塩を使って表現されています。このような映像表現にも、バンドのこだわりが垣間見えます。

収録曲は以下の通りです。

1. Revival
2. Rescue
3. Comic Sonic
4. Flashback Story
5. エネルギヤ
6. ポラリスの輝き 拾わなかった夢現
7. Minority Whisper
8. 持ち主のないギター
9. トライアル
10. Ready Steady Go!

すべての楽曲の作詞・作曲は山中さわおが担当しています。

このアルバムのレコーディングには、鈴木淳がベースで参加しています。

参考文献として、JUNGLE LIFE vol.171、音楽と人 2012年2月号が挙げられます。

『TRIAL』は、the pillowsの音楽的な幅広さと、常に新たな挑戦を続ける姿勢が凝縮されたアルバムと言えるでしょう。ファンはもちろん、ロックミュージックを愛する全ての人に聴いていただきたい作品です。

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