TRUTH (T-SQUAREの曲)

T-SQUAREの金字塔「TRUTH」：F1と共に歩んだ30年超の軌跡

1987年、THE SQUARE（現T-SQUARE）のアルバム『TRUTH』に収録された表題曲「TRUTH」は、日本のフュージョン史に燦然と輝く名曲です。その知名度は、同時期にフジテレビで放送されていたF1グランプリのテーマソングとして起用されたことに大きく拠っています。1987年から1998年にかけて11年間、オープニングテーマとして使用され、F1ブームと相まって、T-SQUAREの楽曲の中でも最も高い認知度を誇る存在となりました。

疾走感溢れるロック調のメロディーと、時代を捉えたマーケティング戦略

「TRUTH」の魅力は、その力強いロック調のリズムにあります。フュージョンやジャズというジャンルにとどまらず、モータースポーツのダイナミズムを体現したかのようなサウンドは、幅広いリスナー層、特に若い世代に大きな支持を集めました。そして、それは当時のマーケティング戦略とも見事に合致していたと言えるでしょう。

様々なアレンジとコンピレーションアルバムへの収録

発表から30年以上を経た現在も、T-SQUAREのライブでは欠かせない定番曲として演奏され続けています。「TRUTH」は、1991年にシングルカットされたのを皮切りに、時代に合わせてアレンジされたバージョンが次々と発表されてきました。数多くのコンピレーションアルバムにも収録され、中にはフェードアウト処理が施されたり、エンジン音が追加されたりといった、独自のアレンジが加えられたバージョンも存在します。その人気はライブDVDへの収録からも伺えます。

アイルトン・セナ追悼式典での壮大なオーケストラ演奏

1994年、フジテレビ主催のアイルトン・セナ追悼式典において、T-SQUAREと新日本フィルハーモニー交響楽団による特別な演奏が行われました。「組曲 SENNA Forever 第一楽章『闘争』」と題されたこの演奏では、実際のレース中継映像をバックに、「TRUTH」が壮大なオーケストラアレンジで披露され、多くの人の心を揺さぶりました。

F1グランプリとの深い繋がり：テーマ曲として長年使用

「TRUTH」とF1グランプリの関わりは非常に深く、1987年から1998年までオリジナルアレンジが、2001年から2005年にかけては「TRUTH 21c」やリミックスバージョンが、そして2006年には「TRUTH -20th ANNIVERSARY Version-」がテーマ曲として使用されました。放送局の移行に伴い、2012年から2015年まで再びオリジナルアレンジが使用されたことも特筆すべき点でしょう。

シングルカットと様々なバージョン

1991年10月10日にシングルカットされた「TRUTH」は、THE SQUAREにとって5年ぶりのシングルとなりました。シングルバージョンに加え、本田雅人によるソプラノサックス演奏をフィーチャーした「TRUTH 1991」がカップリング曲に収録されました。F1グランプリの写真が使用されたジャケットも話題となりました。

数々の再録、リミックス、そしてセルフカバー

「TRUTH」は、様々なアーティストや編成によって再録、リミックスされてきました。オーケストラとの共演盤、T-SQUARE plus名義でのアレンジ、ボーサノヴァバージョン、そしてセルフカバーアルバムへの収録など、その幅広さは驚異的です。T-SQUAREのメンバーチェンジや、他のアーティストとのコラボレーションを通して、常に新しい魅力を放ち続けていると言えます。

ゲームソフトへの収録

「TRUTH」は、F1をテーマとしたゲームソフトにも多数収録されています。アレンジバージョンが使用されたり、ゲームの雰囲気に合わせた独自の演出が加えられたりしており、ゲーム音楽史においても重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

プロモーションビデオとその後

「TRUTH」と「TRUTH 1991」の両バージョンには、それぞれプロモーションビデオが制作され、その後もDVDなどで見ることができます。これは、楽曲のロングセラーぶりを示す証左と言えるでしょう。

30年以上もの間、多くの人々に愛され続けている「TRUTH」。その魅力は、時代を超えて人々の心を掴む、普遍的な力強さにあると言えるでしょう。

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