TU-89 355 LADYBIRD

多目的装甲車TU-89の魅力

多目的装甲車TU-89、またはTU-89 355 LADYBIRDは、1979年10月にテレビ朝日系列で放送された石原プロモーション製作の刑事ドラマ『西部警察 (PART1)』の第1話と第2話において特異な存在感を示した架空の軍用車両です。

この装甲車は、日米合同の軍事演習が行われていた背景を基に、強奪されたアメリカ軍の最新鋭の兵器として設定されています。装甲車は、完全にコンピュータ制御された150mm砲または125mm砲、さらに重機関銃を備えており、近代的な戦闘能力を発揮します。

構造と性能

TU-89の全長は7648mm、全幅3360mm、全高3080mmという大きなサイズを誇り、重さは20トンまたは35,000kgに達することから、その存在感は圧倒的です。搭載されたエンジンは8MA1型で、450馬力の出力を持ち、ターボチャージャーが装備されています。乗員はオペレーター、コマンド、砲手の3名で構成されています。武装は、主砲として150mm砲または125mm砲、さらに20mmおよび7mmの重機関銃が各1門用意されています。

ドラマにおける活躍

ドラマ内では、国外逃亡中の凶悪殺人犯である日下勇治が、彼の仲間と共にTU-89を南富士演習場から強奪し、東京の銀座でその姿を現します。日本の警察が持つ装備では歯が立たず、装甲車は市街地で破壊の限りを尽くします。

物語は、極右思想家である資産家大河内巌が、警察への無法な要求を発し、装甲車による無差別攻撃の予告をすることで緊迫感を高めます。この場面では、木暮捜査課長が、装甲車の存在が警察力を試す唯一のものだと語り、警察の無力さが強調されています。

大門部長刑事率いる「大門軍団」も、ダイナマイトを使用した攻撃を試みますが、装甲車が持つ圧倒的な力の前に無力です。彼らは装甲車をテレビ朝日本社にまで追い詰めますが、逆に大河内の巧みな戦術によって窮地に立たされます。

結末に向けて

物語のクライマックスでは、大門が装甲車に接近し、日下を挑発します。この心理的駆け引きの中で、装甲車は高圧電流によって機能を停止し、動けなくなります。最終的には、火炎瓶が投げ込まれ、装甲車は爆発と共に炎上する運命を迎えます。日下と九堂は逮捕されますが、大河内は装甲車と運命を共にする形で壮絶な幕を閉じます。

まとめ

多目的装甲車TU-89は、単なる道具に留まらず、ドラマの中での緊張感やドラマティックな展開を支える重要な存在として機能しています。この架空の装甲車は今日でも多くのファンに記憶され、作品の象徴的な一部として愛され続けています。

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