重機関銃

重機関銃について

重機関銃（じゅうきかんじゅう、英: Heavy machine gun, HMG）は、比較的大きな質量を持ち、小銃弾よりも大口径の弾薬を使用する機関銃のカテゴリーに属します。この武器は「重機」と略称されることもあります。当初は、軽機関銃が歩兵部隊と連携して前進していくのに対し、陣地に据え付けられて防御に特化した機関銃として利用されていました。その後、中機関銃という新たなカテゴリが生まれることによって、大口径または水冷式の重機関銃がこの分類に残ることになりました。

歴史的背景

第一次世界大戦の初期、西部戦線では戦闘が膠着し、塹壕と鉄条網に象徴される陣地戦が主流となりました。この時期、陣地防御に機関銃が極めて有効であることが証明され、たった1挺の機関銃でも旅団規模の攻撃を防ぐことができる力を持つことが明らかになりました。この脅威に対抗するために、攻撃側の歩兵は散開して進むようになったため、軽機関銃が発展し、従来のものは「重機関銃」と呼ばれるようになりました（レトロニム）。また、重機関銃の中で比較的軽量な空冷式銃は中機関銃とされたため、重くてかさばる銃だけが重機関銃として残りました。

重機関銃の発展

重機関銃の設計は元来、対戦車・対空兵器を意図して行われました。例えば、ドイツではMG08重機関銃を基に、マウザー M1918対戦車ライフルの弾薬を使用する大口径のMG 18 TuFが開発されました。アメリカもまた、ブローニングM1917重機関銃をベースにした大口径のブローニングM2重機関銃を作成しました。しかし、戦車や航空機の進化に伴い、戦間期には対戦車兵器としての能力が不足していると判断され、対空兵器としても自衛用あるいは低高度の航空機に対する防御用に限定されるようになりました。

それでも、重機関銃は装甲戦闘車両の副武装や軍用車両、軍艦の自衛用武装として広く活用され続けました。一方で、登場当初から歩兵用機関銃としては過重だとされ、他の火力支援手段の充実が進んだため、装備数が減少しました。しかし、1982年のフォークランド紛争では、陣地の防衛にブローニングM2重機関銃を効果的に用いたアルゼンチン軍の戦訓から、重機関銃の戦術的価値が再確認されることとなりました。

現在の重機関銃

今日では、重機関銃は主に装甲戦闘車両や各種軍用車両、船舶の自衛に使用されています。また、アメリカ軍では自動擲弾銃も重機関銃のカテゴリに含めている点が特徴的です。重機関銃は、弾薬の種類によっても分類され、小銃弾を使用するものや大口径弾を使用するものがあります。

重機関銃は、その大火力と持続的な発射能力から、今後も現代の戦闘において無視できない重要な役割を果たすでしょう。

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