TV FUN

TV FUN（テレビファン）とは

TV FUNは、トミー工業（現・タカラトミー）が1970年代に発売していた家庭用テレビゲームシリーズです。当時の第一世代のテレビゲーム市場において、重要な位置を占めていました。ハードウェアはすべて沖電気との共同開発によるもので、技術的な基盤を共有していました。

概要

TV FUNシリーズは、バンダイの『TV JACK』と同時期に展開されました。両シリーズは一部のLSIチップを共有しており、その結果、ゲーム内容が重複するモデルも存在しました。これは、当時のテレビゲーム業界における技術的な連携や競争の一面を示しています。

ハードウェア

TV FUNシリーズのハードウェアは、沖電気との共同開発によって製造されました。この協力体制は、シリーズの安定した品質と性能を支える重要な要素でした。

仕様

TV FUNシリーズは、モノクロからカラーへと進化し、多様なゲームを提供しました。初期のモデルはシンプルなボールゲームが中心でしたが、後期には射撃ゲームやスタントゲームなど、より複雑なゲームが追加されました。また、パドルコントローラや光線銃、バイクコントローラなど、多彩な周辺機器も開発され、ゲーム体験を豊かにしました。

製品ラインナップ

以下にTV FUNシリーズの主な製品ラインナップを紹介します。

TV FUN 301
発売されなかった幻のモデル。予定価格は22,000円でした。後に日幸信販から『テレビゲームModel213V』として同型機種が販売されました。
TV FUN 401
1977年発売。本体価格は18,000円。木目調の筐体でモノクロ4種類のゲームを内蔵。当時としては最も廉価なゲーム機でした。LSIはゼネラル・インストゥルメンツ社のAY-3-8500-1を使用。
TV FUN 501
1977年発売。本体価格は12,000円。カラーで3種類のゲームを内蔵し、ラケットの大きさを3段階で変更可能。ACアダプタが標準添付され、乾電池が不要。
TV FUN 601
1977年9月発売。本体価格は9,800円。TV FUN 501の機能を維持しつつ、小型化と低価格化を実現。茶色と白の2種類が存在。井村屋のキャンペーン景品に起用されました。
TV FUN 602
1977年9月発売。本体価格は12,800円。TV FUN 601の姉妹機で、ダブルスに対応し6種類のゲームを内蔵。4人プレイが可能。後期モデルは形状が変更されています。
TV FUN 701
1977年9月発売。本体価格は16,000円。グリッドボールやバスケットボールなど8種類のカラーボールゲームを内蔵。8方向のアナログスティックを採用。LSIはゼネラル・インストゥルメンツ社のAY-3-8600-1を使用。
TV FUN 801
1977年9月発売。本体価格は18,000円。TV FUN 602と同様のボールゲームに射撃ゲームを追加。光線銃が付属。筐体はTV FUN 401と同じ。
TV FUN 901 スタントサイクル
1978年発売。本体価格は18,000円。4種類のカラーボールゲームとスタントゲームを内蔵。バイクコントローラが付属。ボールゲームを省略したTV FUN 902も発売されました。

周辺機器

TV FUNシリーズには、パドルコントローラ、光線銃、バイクコントローラなどの周辺機器がありました。これらの周辺機器は、ゲームの多様性と楽しさを向上させる重要な要素でした。

脚注

TV FUNシリーズは、当時のテレビゲーム市場において、技術的な革新と多様なゲーム体験を提供しました。

参考文献

『エレクトニック・ゲーム・コレクターズ』オークラ出版、2000年2月。ISBN 4-87278-547-9。
『テレビゲームの世界』ゲームス・スクエア、1997年8月。
『I/O別冊 TVゲーム徹底研究』工学社、1978年4月。

関連項目

TV JACK - TV FUNと同時期にバンダイより発売されたテレビゲームシリーズ。
システム10 - TV FUNと同時期にエポック社より発売されたテレビゲーム。
カラーテレビゲーム15 - TV FUNと同時期に任天堂より発売されたテレビゲーム。
第20回週刊少年マガジン新人漫画賞 - 佳作受賞者への副賞として本機が贈られた。

外部リンク

Classic Videogame Station ODYSSEY

TV FUNシリーズは、1970年代の家庭用テレビゲーム市場において、その革新性と多様性で大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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