TVS REGZA

TVS REGZA株式会社：東芝レグザブランドの継承と進化

TVS REGZA株式会社は、かつて東芝グループの中核を担っていた映像機器事業を受け継ぎ、現在では中国のハイセンスグループ傘下で事業を展開する企業です。青森県に本店を置き、東芝REGZAブランドの薄型テレビ、レコーダー、そして新たにゲーミングモニターなど、幅広い製品を開発・製造・販売・修理しています。

歴史と変遷：東芝からの独立とハイセンス傘下へ

その歴史は1973年、青森県に設立された津軽東芝音響にまで遡ります。その後、社名変更や合併を経て、東芝メディア機器株式会社、東芝映像ソリューション株式会社と変遷を遂げました。2017年には、東芝映像ソリューション株式会社の株式の95%がハイセンスグループに譲渡され、現在のTVS REGZA株式会社へと生まれ変わりました。

社名変更は2021年3月。「TVS」は、当初「Toshiba Visual Solutions」の略でしたが、現在は「Total Visual Solutions」を意味するバクロニムとなっています。東芝ブランドロゴの使用継続を経て、2022年5月からは一部新製品でREGZAロゴ単独使用を開始。テレビブランド名がメーカー名になった初めての事例となりました。

ハイセンスグループ傘下入り後、調達・生産効率の向上によりコスト競争力を強化。2019年度には9年ぶりの黒字化を達成するなど、大きな成果を上げています。2022年には、東芝時代を含めて初めて国内テレビ販売シェアで首位を獲得しました。これは、ハイセンスの調達網による原材料価格抑制と、東芝時代からの機能へのこだわりを両立させた結果と言われています。

主な製品と技術：REGZAブランドの強み

TVS REGZA株式会社の主力製品は、言うまでもなく「REGZA」ブランドの薄型テレビです。2006年に誕生したREGZAは、ハードディスクやネットワークとの連携による録画機能を特長とし、高い評価を獲得しています。液晶ディスプレイを軸に、近年は有機ELディスプレイやmini LED搭載モデルも展開。かつては次世代ディスプレイ技術として期待されたSED方式の開発にも携わっていましたが、様々な要因により市場投入には至りませんでした。

2010年代には海外メーカーとの価格競争激化により、国内市場への注力を決定。4Kテレビを中心とした高画質モデルの開発と、海外市場におけるブランド供与型ビジネスへの移行を進めました。ポータブルタイプのレグザやBDレコーダー一体型モデルの生産は終了しています。

レコーダー分野では、世界に先駆けてHDD＆DVDレコーダーを製品化（2001年）。その後、地上デジタル放送対応やBDへの移行など、技術革新を繰り返してきました。HD DVD規格争いでは撤退を余儀なくされ大きな損失を被ったものの、その後BD陣営に参入し、現在もREGZAブランドのブルーレイレコーダーを販売しています。

2024年11月には、同社初となるゲーミングモニター2機種を発表しました。23.8型フルHDと27インチWQHDモデルで、新たな市場への進出を図っています。

その他：CMキャラクターやスポンサーシップ

TVS REGZAは、数々の著名人をCMキャラクターに起用し、ブランドイメージの向上に努めています。現在、目黒蓮さんがCMキャラクターを務めています。過去には小栗旬さん、有村架純さん、福山雅治さんなどが起用されていました。また、日本ラグビーフットボール協会をオフィシャルサポーターとして支援しています。

今後の展望

TVS REGZA株式会社は、ハイセンスグループとの連携を活かしながら、REGZAブランドのさらなる発展を目指しています。国内市場でのシェア拡大はもちろん、新たな製品開発や市場開拓を通じて、映像機器業界におけるリーディングカンパニーとしての地位を確立していくことが期待されます。特に、新しく参入したゲーミングモニター市場での成功は、今後の成長を左右する重要な要素となるでしょう。

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