TWF世界女子シングル王座

TWF世界女子王座

TWF世界女子王座は、過去に日本のJDスター女子プロレスが管理団体となり、メキシコの団体であるTWF（Trans-world Wrestling Federation）が認定を行っていた女子プロレスのチャンピオンシップタイトルです。その名称に含まれる「TWF」という略称は、「Trans-world Wrestling Federation」という正式名称から取られています。この王座は、管理団体が日本のプロレス団体に移管された後も、認定という形でメキシコのTWFとの繋がりを維持していました。

歴史

この王座の歴史は、1995年に始まりました。創設母体は、メキシコを拠点として活動していたプロレス団体TWFです。新たな女子王座としてTWF世界女子王座が創設され、その初代王者を決定するためのトーナメントが企画されました。

記念すべき初代王座決定戦は、1995年11月19日にメキシコのアカプルコで開催されたTWFの大会内で行われました。複数の選手が参加したこのトーナメントを勝ち抜き、栄えある初代TWF世界女子王者に輝いたのは、メキシコ女子プロレス界において実績のあるベテラン選手、ローラ・ゴンザレスでした。彼女はメキシコでの歴史的な大会で初代王者としての名を刻みました。

創設から約1年が経過した1996年9月には、王座の管理体制に大きな変化が訪れます。それまで王座を管理していたメキシコのTWFから、日本のプロレス団体である吉本女子プロレスJd'へと管理団体が移管されたのです。吉本女子プロレスJd'は後にJDスター女子プロレスと名称を変更しましたが、王座の管理業務は引き続きこの団体によって担われることとなりました。これにより、TWF世界女子王座は、認定はメキシコの団体、管理は日本の団体という、国際的な協力体制のもとで運営されることになります。

しかし、王座の歴史は永遠に続くことはありませんでした。2005年6月19日、当時TWF世界女子王座を保持していた田村欣子選手が、自身の意志により王座を返上することを表明しました。この返上を受けて、本来であれば新たな王者決定戦や後継者を巡る動きがあるはずでしたが、実際にはその後、王座決定戦が開催されることは一度もありませんでした。田村選手による王座返上を最後に、TWF世界女子王座は新たな挑戦者を迎えることなく、文字通り活動を停止した状態となります。これにより、TWF世界女子王座は事実上、封印されたタイトルとなり、その歴史に一旦幕を下ろした形となっています。現在に至るまで、この王座が再び活動を開始したという公式な発表はありません。

この王座は、メキシコでの創設から日本の団体による管理へと変遷し、短いながらも国際色豊かな歴史を辿りました。しかし、最後の王者の返上を機に、惜しまれつつもその存在は過去のものとなり、プロレス史の記録の中にその名を留めています。

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