田村欣子

生涯

日本の元女子プロレスラー、田村欣子（たむら よしこ）は、1976年2月6日に東京都江戸川区篠崎町に生まれた。『タムラ様』の愛称でファンに親しまれ、重要事項を「ケッテー」の一言で決定する独特のパフォーマンスでも知られている。

経歴

プロレスラーとしてのキャリアは、1994年9月15日、後楽園ホールでの対金山薫戦で全日本女子プロレスからスタートした。同期の中でもいち早くタイトルマッチに抜擢されるなど、団体の将来を担うエース候補として大きな期待が寄せられた。

1997年、全日本女子プロレスの経営状況悪化に伴い団体を離れ、ネオ・レディースへ移籍。後にNEO女子プロレスへと名称を変えたこの団体で、田村は中心選手として活躍の場を移す。

NEO移籍後の2000年8月24日には、アメリカ・アトランティックシティにてニコル・バスを破り、NWA女子パシフィック王座とNEO認定シングル王座の二冠を獲得、その初代王者として歴史に名を刻んだ。同年10月13日の板橋産文ホール大会では、元気美佐恵を相手に40分を超える激闘を制し、二冠王座の2度目の防衛に成功するなど、団体のエースとしての地位を確固たるものとしていく。

2004年8月14日、後楽園ホールで開催された「田村欣子31プレイ・チャレンジ・マッチ」では、豊田真奈美がかつて行った30人掛けを上回る31人掛けという過酷な挑戦に挑んだ。同年12月19日には、TWA女子王者であった田村と二冠王者の元気美佐恵との間で三冠統一戦が行われたが、60分フルタイムの激闘の末、時間切れ引き分けとなり、王座統一はならなかった。

シングル戦線での活躍に加え、タッグマッチでも存在感を示した。2006年8月19日には松尾永遠とのタッグでミッドサマー・タッグトーナメントに優勝。翌2007年7月16日には、さくらえみと組んで元気美佐恵・松尾永遠組からNEO認定タッグ王座を獲得し、第5代王者となった。

2008年には、NEOとアイスリボンの共同制作映画「スリーカウント」の撮影に参加。この経験から、出演者を選抜して独自のチーム「田村プロレス」を結成し、「勝利が絶対」という自らの哲学に基づいた指導を行った。

2009年に入ると、再びシングル戦線の頂点へ。5月5日の後楽園ホール大会でさくらえみを破り、NEO統一二冠王座に返り咲く。同年9月20日には、強敵である高橋奈苗をマウントクックからのエビ固めで下し、初防衛に成功した。

2009年12月31日、年末の後楽園大会では、栗原あゆみとのタッグチーム『☆タムクリ☆』を結成。高橋奈苗・華名組が保持するNEO認定タッグ王座に挑戦し、栗原の活躍により第12代王者となった。☆タムクリ☆はこれまでNEO認定タッグへの挑戦を3度退けられており、4度目の挑戦での戴冠だった。その後も2010年5月5日の後楽園大会まで、タッグ王座を防衛し、NEO女子プロレスのタッグ戦線を牽引した。

2010年5月5日、タッグ王座防衛成功の裏で、田村はNEO女子プロレスが同年大晦日をもって解散すること、そして自身もタニー・マウス、宮崎有妃と共に現役を引退することを発表した。団体の終焉と共に、プロレスラーとしてのキャリアに区切りをつける決断だった。

そして迎えた2010年12月31日、NEO最終興行。メインイベントでは、田村の引退試合として、タッグパートナーである栗原あゆみを相手にNEOシングル王座13度目の防衛戦に臨んだ。惜しくも敗れ、王座を保持したままの引退は叶わなかったものの、激闘の末にプロレスラーとしての幕を閉じた。

引退後は、2011年4月23日にアロマトリートメントサロンを開店するなど、新たな道を歩んだ。しかし、プロレスへの情熱は消えることなく、2023年1月25日、タニー・マウスと共に新団体『hotシュシュ』のスーパーバイザーに就任し、12年ぶりにプロレス界への復帰を果たしている。

得意技

GUST
TRS
パトリオットバスター
パトリオットボム
エースクラッシャー
トモレクラッチ
マウントクック
ハンガリー

獲得タイトル

NWAパシフィック女子&NEO認定シングル王座
WCW世界女子クルーザー級王座
AWF世界女子王座
TWF世界女子王座
全日本ジュニア王座
NEO認定タッグ王座

入場テーマ曲

You be so Wrong (全女時代)
ギャラクシー・エキスプレス（国吉良一, NEO統一二冠王座戴冠時)

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