Ta 283 (航空機)

フォッケウルフ Ta 283

フォッケウルフ Ta 283は、ドイツの航空機メーカーであるフォッケウルフ社が第二次世界大戦中に開発を計画した迎撃機です。設計者はクルト・タンクであり、この機体は特にパブスト式ラムジェットエンジンを搭載する計画がありました。残念ながら、開発は途中で終戦を迎えたため、実際に製造されることはありませんでした。

概要

Ta 283は、そのデザインにおいて革新的な要素を取り入れていました。特に主翼は45度の大きな後退角を持ち、これにより高速飛行時の安定性が向上することが期待されていました。また、機体の両端にはパブスト式ラムジェットエンジンが装備されており、これが最大の特徴の一つとなっています。コックピットは胴体の後ろ側、すなわち垂直尾翼の基部近くに配置されており、操縦士は効率的な視界を確保できる設計が意図されていました。

この機体は、離陸の際にヴァルター・ロケットモーターを使用する予定であり、これにより速やかな加速ができる見込みでした。武装としては、機首に配置された二門のMk 103 30mm機関砲が考案されており、敵機に対する攻撃力を高めるための装備が施されるはずでした。

速度性能

Ta 283は、パブスト式ラムジェットエンジンを駆使することで、最高速度1,100km/hを目指していました。実際、このエンジンは風洞実験でマッハ0.9の運転に成功したことから、理論上は高性能が期待できるものでした。

開発の経過

開発は1944年8月に始まりましたが、その後すぐに終戦を迎えてしまいました。初期設計の段階で終了し、実際の飛行試験や生産が行われることはありませんでした。これにより、Ta 283は多くの夢と期待を抱きつつ、未実現のまま歴史の中に消えていくことになりました。

スペック

以下はフォッケウルフ Ta 283の計画仕様です:

• - 全長: 11.5 m
• - 全幅: 7.95 m
• - 全高: 2.9 m
• - 空虚重量: 2,680 kg
• - 最大離陸重量: 5,390 kg
• - 動力:

- パブスト式ラムジェットエンジン × 2基
- ヴァルター・ロケットモーター × 1基

• - 最高速度: 1,100 km/h
• - 武装:

- Mk 103 30mm機関砲 × 2基

• - 乗員: 1名

このように、フォッケウルフ Ta 283はその設計において多くの革新を試みたものの、実際には事実上の名機として名前が残ることとなりました。

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