Texinfo

GNU Texinfo（テックインフォ）は、複数の形式で文書を生成できる自由ソフトウェアのコンピュータプログラムです。GNUプロジェクトにおいて、公式な文書体系として利用されています。

Texinfoは、プログラムの入力ソースファイル形式、およびその構文自体も指します。Texinfoのソースファイルは、章、節、相互参照、索引といった要素を持つ、書籍のような構造化された文書を作成するために用いられます。

ソースファイルは基本的にプレーンテキストですが、厳密には「@」で始まるコマンドを使用してフォーマットされたテキストです。以下はTexinfoのソースファイルの一部例です。

texinfo
@ifnottex
@node Top
@top Short Sample

@insertcopying
@end ifnottex

@menu
First Chapter:: The first chapter is the
only chapter in this sample.
Index:: Complete index.
@end menu


これらのコマンドは、章のような文書構造を定義したり、特定の出力形式でのみ処理される部分を指定したりする役割を果たします。

Texinfoは、プレーンテキスト、info形式、HTML、DVI、PDF、XML、DocBookなど、多様な出力形式をサポートしています。印刷可能な形式を生成する際には、TexinfoはTeXを利用し、TexinfoのコマンドをTeXで解釈できるように必要な命令を発行します。

注目すべき点として、Texinfoはmanページ形式の出力を直接はサポートしていません。Texinfoは、GNU/LinuxのようなUnix系環境で利用されるGNUソフトウェアのドキュメント作成に用いられることが多いですが、これらの環境で伝統的に用いられてきたmanページ形式はサポートされていません。manページは簡潔なリファレンスを目的とした形式であるのに対し、Texinfoは入門書や詳細な参照マニュアルなど、より包括的な文書を作成するのに適しています。そのため、Texinfoをmanページのようなクイックリファレンスマニュアルとして使用するメリットは少ないと考えられています。実際、GNUプロジェクトの多くのプロジェクトではmanページを避け、代わりにTexinfoで生成されたinfoページを参照するように促すのみというケースも見られます。

Texinfoは、構造化されたドキュメントを効率的に生成するための強力なツールであり、特にGNUプロジェクトのような大規模なソフトウェアプロジェクトにおける文書管理において重要な役割を果たしています。



外部リンク:
Texinfo (公式)

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