The Chronicle of Higher Education

The Chronicle of Higher Educationは、高等教育の専門家や学生を対象にした新聞およびウェブサイトであり、大学に関連するニュースや情報、職業情報を提供しています。このメディアはワシントンD.C.に本社を構え、アメリカの学術界において重要な役割を果たしています。平日は更新されるウェブサイトと、年間42号発行される週刊誌を運営しており、6月、7月、8月、12月の最後の3週間は刊行を休止します。

新聞にはニュースと求人情報をまとめた2種類の紙媒体があり、また「The Chronicle Review」と呼ばれる芸術や思想についての雑誌も発行しています。さらに、The Chronicle of Philanthropyという非営利活動に特化した新聞や、助成金に関する電子データベースであるThe Chronicle Guide to Grants、芸術と文学に関するポータルサイトであるArts & Letters Dailyなど、多岐にわたる出版物を手掛けています。2003年には、3300万ドルの広告収入と700万ドルの流通収入を記録し、高等教育情報の主要なインフォメーション源としての地位を確立しています。

設立の背景

The Chronicleの歴史は、1949年に遡ります。当時、ジョンズ・ホプキンス大学で同窓会誌の編集長を務めていたコービン・グワルトニーが創設に関わりました。1957年には、高等教育に関する編集プロジェクトを立ち上げ、他の大学の雑誌編集にも関与しました。特にその年の10月4日、スプートニク1号が打ち上げられた日に大学雑誌の増刊を企画する「Moonshooter」プロジェクトが発足しました。このプロジェクトは大学雑誌編集者が増刊の資金調達のために自身の雑誌に60パーセントの号数を提供することで、最初の「Moonshooter Report」を出版しました。これにより、135万部が売れ、その後3年間で300万部の増刊を販売しました。

1959年、グワルトニーはジョンズ・ホプキンス・マガジンを離れ、自宅を拠点にした「Editorial Projects for Education」（EPE）を設立し、最初のフルタイムのスタッフとして参加します。これが後のChronicleの根幹を成す土台となり、そこで高等教育を中心にした新しい出版物を模索しました。1966年11月には正式に「The Chronicle of Higher Education」を創刊し、一般の人々が高等教育の実態をあまり理解していないのではないかという問題意識も持っていました。当初は広告収入が無く、ニューヨーク・カーネギー財団やフォード財団からの助成金によって運営されていましたが、後に広告収入を得るように方針を変更します。

経営の変遷

1970年代に入ると、Chronicleは広告収入が安定し、自立に必要な経営基盤を築き上げました。1978年、EPEはChronicleの経営権を編集者に売却する決定をし、200万ドルの現金と50万ドル分のサービスを受けることになりました。この過程でChronicleは非営利から営利企業へと転換し、新たな出版活動を開始しました。EPEはその後、K-12教育にシフトしながら1981年にはEducation Weekの創刊にも関与しました。

さらに、1993年にはGopherサービスを利用して初めてインターネット上でも新聞が発行され、2011年にはタブレット向けのiPadバージョンも提供開始しました。

受賞歴

The Chronicleは創刊以来、多くのジャーナリズム賞にノミネートされ、また受賞もしています。2005年にはディプロマミルや盗作に関する取材が評価され国家的な賞のファイナリストに選ばれました。また、2007年にはUtne Readerのインディペンデント・プレス・アウォードの政治部門を受賞し、The Chronicle Reviewが「大胆で自由な発想」のセクションとして評価を受けました。このように、Chronicleは高等教育の報道を通じて、社会的責任を果たし続けているのです。

高等教育の分野において、Chronicleは重要な情報源として、読者にとってなくてはならない存在となっています。

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