The KarateGuard

『The KarateGuard』（2005年9月27日公開）は、人気アニメシリーズ『トムとジェリー』の162作目にあたる短編作品です。ハンナ＝バーベラ時代を代表する作品の一つであり、シリーズの原作者であるジョセフ・バーベラが47年ぶりに制作に携わったことで話題を呼びました。2022年現在、これが彼の最後のトムとジェリー短編作品となっています。

本作は、昼寝中のトムがジェリーのけたたましい物音で起こされることから始まります。その音の発生源は、空手の稽古に励むジェリーでした。トムはジェリーの練習風景を面白がり、からかい半分でジェリーを痛めつけます。しかし、怒りに燃えたジェリーはトムに立ち向かいますが、返り討ちに遭ってしまいます。

ここでジェリーの前に、彼の空手の師匠である精霊が現れます。精霊は、巨大な武士姿をした犬をジェリーのボディガードとして送り込みます。この犬は、トムに追い詰められたジェリーが精霊から授かった銅鑼を鳴らすと、瞬時に駆けつけてトムを懲らしめるという設定です。

トムは、この巨大な犬にさんざん苦しめられます。犬が寝ている隙に耳を塞いだり、殺し屋を雇って犬を始末しようと試みますが、全て失敗に終わります。

最終的に、トムはジェリーと巨大な犬の言いなりとなり、ジェリーが銅鑼を鳴らすたびにポップコーンを運ぶという屈辱的な立場に甘んじる羽目になります。一方、ジェリーはトムが運んできたポップコーンを嬉しそうに味わうのでした。

本作のスタッフには、原作者であるウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラをはじめ、監督のジョセフ・バーベラとスパイク・ブラント、脚本のジョセフ・バーベラ、絵コンテのジョセフ・バーベラとイワオ・タカモトなど、多くのベテランスタッフが名を連ねています。音楽はマイケル・ジアッキーノが担当し、製作はワーナー・ブラザース・アニメーション、配給はワーナー・ブラザース・ピクチャーズが行いました。

登場キャラクターは、空手の達人となったジェリー、ジェリーをいじめるトム、そしてジェリーのボディガードとなる巨大な犬の3体が中心です。空手の師匠は、ジェリーに武術を教え、銅鑼を渡す重要な役割を果たしています。

『The KarateGuard』は、伝統的なトムとジェリーのドタバタ劇に、空手や武士といった斬新な要素を取り入れた、見どころ満載の作品です。ジョセフ・バーベラが47年ぶりに参加した最後のトムとジェリー短編アニメーションとして、その価値は高く、多くのファンに愛され続けています。また、本作は、往年のトムとジェリー作品に見られる、緻密な作画とテンポの良い演出、そしてコミカルなキャラクター表現が見事に融合した傑作として評価されています。長年愛されてきたシリーズの集大成とも言うべき作品であり、トムとジェリーのファンならずとも、一度は鑑賞する価値のある作品です。

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