The Uncensored Library

検閲のない図書館：Minecraftが実現する自由な情報空間

「検閲のない図書館」は、国境なき記者団が世界反サイバー検閲デーに合わせて公開した、Minecraft内の仮想図書館です。報道の自由がない国々で検閲された記事を、Minecraftというプラットフォームを通じて公開することで、情報へのアクセスを可能にする試みです。

背景：検閲を回避するMinecraftの可能性

Minecraftは、ニュースサイトやブログとは異なり、政府による厳格な管理が及ばない場合があります。国境なき記者団は、この点に着目し、Minecraftを検閲を回避する手段として活用しました。声明では、若者が自由に意見を述べられない状況に対し、Minecraftを通じて独立した情報へのアクセスを提供することの重要性が強調されています。

図書館の構造：象徴性と情報へのアクセス

図書館は、新古典主義建築様式で構築され、大英博物館やニューヨーク公共図書館を参考にしています。この様式は権威主義的な政府を象徴する一方で、「検閲のない図書館」では、その意匠を逆手に取り、権威への挑戦を表現しています。1,250万を超えるブロックが使用され、緻密に設計された空間は、情報へのアクセスを阻む壁を打ち破る決意を示しています。

各国のウィング：それぞれの課題と向き合う

図書館内には、メキシコ、ロシア、ベトナム、サウジアラビア、エジプトの5か国と、国境なき記者団のウィングが設けられています。各ウィングには、検閲された記事が英語と原文で収蔵されており、記事はゲーム内のブックアイテムとして読むことができます。記事の内容は、著者の出身国における検閲、不当な刑罰、政府批判など、報道の自由に関する問題を取り扱っています。各部屋のインテリアは、それぞれの国の状況やジャーナリズムが抱える課題を象徴的に表現しています。

中央ルームには、世界の報道の自由度ランキングが展示され、各国の状況を一覧できます。メキシコのセクションには、記事執筆が原因で殺害された記者の記念碑が設置され、報道の自由のために命を落とした人々に敬意を表しています。図書館全体では、200冊を超える書籍が収蔵されています。

COVID-19ルーム：パンデミック下の情報統制

COVID-19に関する報道の自由の問題に焦点を当てるため、専用の部屋が追加されました。ブラジル、中国、エジプトなど10か国の新型コロナウイルス関連報道がどのように影響を受けているかを、各国の書籍を通じて知ることができます。

音楽：Truth Hegemony

公式プロモーションビデオで使用された楽曲「Truth Hegemony」は、ルーカス・メイヤーが作詞し、The Client Said No.が演奏しました。

反響：世界的な注目

「検閲のない図書館」は、公開後、BBC、CNN、Tech Crunchなど、多くのメディアで取り上げられました。このプロジェクトは、情報への自由なアクセスという重要なテーマを、Minecraftという革新的なプラットフォームを通じて提起し、世界的な注目を集めています。

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