Three and Two

オフコースの7thアルバム『Three and Two』は、1979年10月20日にリリースされました。このアルバムは、オフコースにとって大きな転換期を示す作品として位置づけられます。

新メンバー加入とセルフプロデュース

1979年8月1日、清水仁、大間ジロー、松尾一彦の3人が正式にオフコースのメンバーとして加わりました。アルバムタイトル『Three and Two』は、ゴルフ用語で「あと2ホールで3打差があるとき、自動的に勝負が決まること」を意味し、オフコースの5人体制に合致することから名付けられました。また、本作からオフコース自身がプロデュースを手がけるようになったことも大きな変化です。これまでプロデュースを担当してきた武藤敏史は、オフコースの力量を認め、全面的に彼らに委ねる決断をしました。

ジャケット写真に込められた意味

アルバムジャケットは、表に新加入の3人、裏に小田和正と鈴木康博が写っています。この配置について、小田は「新しい3人は俺らのバックじゃなくてメンバーなんだってことがはっきりと見てとれるジャケットがいい」と語っています。新メンバーを前面に出すことで、オフコースが新たな段階に進んだことを示そうとしたのです。

レコーディングにおける意識の変化

本作のレコーディングでは、「どんな楽曲を、どう演奏をすればバンドとして成立するのか」を強く意識したと小田は語っています。5人体制となったオフコースが、一体感のあるサウンドを追求したことが伺えます。

収録曲について

アルバムには、「思いのままに」「恋を抱きしめよう」「愛を止めないで」など、オフコースの代表曲が多数収録されています。また、B-4「生まれ来る子供たちのために」に続いて、1979年8月4日と8月5日に田園コロシアムで行われた野外コンサートでの「いつもいつも」が収録されています。

ロゴデザインの変更

このアルバムからグラフィックデザイナーが福里弘之に変更となり、グループ名のロゴが"Three and Two"を併せた、すべて大文字のデザインに変わりました。

リリース形態

『Three and Two』は、2005年にレコードデビュー35周年を記念して紙ジャケット仕様でリイシューされました。24ビット・デジタルリマスタリングが施され、オリジナルLPの装丁や封入ポスターが忠実に再現されています。2009年にはSHM-CDフォーマットでも再発されました。

まとめ

『Three and Two』は、オフコースが5人体制となり、セルフプロデュースを開始した記念すべきアルバムです。新たなメンバーを迎え、音楽性もより深みを増したオフコースの進化を感じられる作品と言えるでしょう。

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