TOXIC

the GazettE 5thアルバム『TOXIC』：鮮烈なサウンドとダークな世界観

2011年10月5日、人気ヴィジュアル系ロックバンドthe GazettEの5枚目のオリジナルアルバム『TOXIC』がSony Music Recordsよりリリースされました。前作『DIM』から約2年3ヶ月ぶりとなる本作は、初回限定盤と通常盤の2形態で発売されました。

初回限定盤には、CDに加え、全80ページにわたる豪華なスペシャルアートブックと、ミュージックビデオ『THE SUICIDE CIRCUS』とそのメイキング映像を収録したDVDが同梱されています。通常盤はCDのみのシンプルな構成です。

サウンド面では、the GazettEの音楽性をさらに進化させた、新たな試みが導入されています。ギターは、従来のチューニングとは異なるドロップAチューニング（全弦を2音半下げ、さらに6弦を1音下げるチューニング）を採用することで、重厚でダークなサウンドを実現。ベースは、前作『DIM』収録曲『13STAIRS[-]1』で採用された全弦3音下げチューニングを引き継いでおり、楽曲全体に独特の低音の響きを与えています。レコーディングエンジニアには、前作に引き続き大里正毅氏が起用されています。

興味深い点として、公式には明記されていませんが、『RED』と『SHIVER』のドラムパートは再録されているという情報があります。これは、楽曲の完成度をさらに高めるための細やかなこだわりと言えるでしょう。

収録されている15曲は、バンドのダークでヘヴィなサウンドを象徴する楽曲群です。RUKIが作曲を手掛けた楽曲が中心ですが、麗が作曲した『MY DEVIL ON THE BED』と『RUTHLESS DEED』、そして『OMEGA』も収録されています。『MY DEVIL ON THE BED』は、ライブパフォーマンスにおいてRUKIがステッキを使った演出を行うことで知られる楽曲です。『OMEGA』は、逆再生すると『THE SUICIDE CIRCUS』の一部が聴こえるという、隠された仕掛けが施されています。

アルバムには、17thシングル『RED』、16thシングル『SHIVER』、18thシングル『PLEDGE』、そして19thシングル『VORTEX』といったシングル表題曲に加え、アルバムのために書き下ろされた新曲も収録。これにより、『TOXIC』は単なるシングルコレクションではなく、the GazettEの新たな音楽的境地を提示する、完成度の高い作品となっています。

楽曲リストは以下の通りです。

CD

1. INFUSE INTO (RUKI作曲)
2. VENOMOUS SPIDER'S WEB (RUKI作曲)
3. SLUDGY CULT (RUKI作曲)
4. RED (RUKI作曲)
5. THE SUICIDE CIRCUS (RUKI作曲)
6. SHIVER (RUKI作曲)
7. MY DEVIL ON THE BED (麗作曲)
8. UNTITLED (RUKI作曲)
9. PLEDGE (RUKI作曲)
10. RUTHLESS DEED (麗作曲)
11. PSYCHOPATH (RUKI作曲)
12. VORTEX (RUKI作曲)
13. TOMORROW NEVER DIES (RUKI作曲)
14. OMEGA (麗作曲)

DVD (初回限定盤のみ)

1. THE SUICIDE CIRCUS (ミュージックビデオ)
2. THE SUICIDE CIRCUS (メイキング映像)

『TOXIC』は、the GazettEの音楽性と表現力の進化を鮮やかに示す、重要な作品と言えるでしょう。重厚なサウンド、ダークな世界観、そして巧みな楽曲構成は、多くのリスナーを魅了し続けています。

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