Twilio

Twilio（トゥイリオ）とは

Twilioは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く、クラウドコミュニケーションプラットフォームサービス（CPaaS）を提供する企業です。同社の提供するAPIを用いることで、電話の発着信、テキストメッセージの送受信など、多様な通信機能をソフトウェア開発者がプログラムを通じて利用することが可能になります。TwilioのサービスはHTTPを介してアクセスし、使用量に応じた課金システムを採用しています。

2019年8月時点で16万社もの企業がTwilioのサービスを利用しており、その規模の大きさが伺えます。日本国内でもサービスが展開されていましたが、かつてはKDDIウェブコミュニケーションズが代理店を務めていました。しかし、2023年5月1日をもって代理店契約は終了し、現在はTwilio Japan合同会社が日本国内でのサービス提供を行っています。

Twilioの歴史

Twilioは2008年に、ジェフ・ローソン、エヴァン・クック、ジョン・ウォルシュイスによって設立されました。当初はシアトルとサンフランシスコを拠点として活動していました。

Twilioが注目を集めるきっかけとなったのは、TechCrunchの創設者であるマイケル・アーリントン氏をネタにしたジョークアプリでした。これは、投資家のデイブ・マクルーア氏など、いわゆるリックロールを好む人々に向けた、ジェフ・ローソン氏によるアプリケーション開発の結果でした。

その後、Twilioはクラウド上で通話の発信と受信を完全に管理するAPI「Twilio Voice」をリリースしました。さらに、2010年2月にはテキストメッセージAPI、2011年7月にはSMSショートコードを公開ベータ版としてリリースするなど、サービスの幅を広げていきました。

Twilioの評価

Twilioは、プラットフォームエバンジェリズムを活用した顧客獲得戦略や、TechCrunch Disrupt hackathonでの成功事例で知られています。特に、2010年5月にニューヨークで開催されたTechCrunch Disrupt hackathonで生まれたGroupMeが、Twilioのテキストメッセージ製品をグループチャットの促進に利用し、2011年1月に1060万ドルのベンチャー投資を獲得したことは、Twilioのサービスが実用的で革新的であることを示す好例となりました。

また、TechCrunch Disrupt hackathonでの成功を受け、シードアクセラレーターの500 Startupsは、Twilioを利用するスタートアップにシードマネーを投資する「Twilio Fund」を設立しました。これは、Twilioの技術がスタートアップの成長を加速させる可能性を示唆するものでした。

Twilioへの投資

Twilioは、ベンチャーキャピタルからの成長投資によって、推定3300万ドルもの資金を調達しています。2009年3月のシードファンディングラウンドでは、金額は非公開ながらも、ミッチ・ケイパー、ファウンダーズファンド、デイブ・マクルーアなどから25万ドルを調達したとされています。また、シリーズAではユニオン・スクウェア・ベンチャーズから370万ドル、シリーズBではベセマー・ベンチャー・パートナーズから120万ドルが出資されました。さらに、2011年12月のシリーズCラウンドでは、ベセマー・ベンチャー・パートナーズとユニオン・スクウェア・ベンチャーズから170万ドルの投資を受けています。

Twilioの技術

アーキテクチャ

Twilioは、Amazon Web Services（AWS）を利用して電話インフラを管理し、APIを通じてHTTPと公衆交換[[電話網]]（PSTN）間の接続を提供しています。このアーキテクチャにより、開発者は自社のアプリケーションに通信機能を容易に組み込むことができます。

信頼性

Twilioは、予期せぬサービス停止からシステムを保護するため、独自のアーキテクチャ設計原則を採用しています。その信頼性の高さは、2011年4月にAWSが大規模なサービス停止に見舞われた際にも、Twilioのサービスが稼働し続けたことで証明されました。

オープンソース

Twilioは、オープンソースソフトウェアの開発を積極的にサポートしており、コミュニティへの貢献も行っています。2010年6月には、ビジネスユーザーが電話番号を設定して着信をルーティングできるオープンソース製品「OpenVBX」をリリースしました。また、技術者のカイル・コンロイ氏が開発した「Stashboard」は、APIやソフトウェアサービスの稼働状況を可視化するオープンソースのステータスダッシュボードです。さらに、Twilioは、元技術者のジェフ・リンゼー氏が開発した「Localtunnel」という、開発環境をインターネットに公開できる技術に資金提供も行っています。

Twilioの受賞歴

Twilioは、その革新的な技術とビジネスモデルが高く評価されています。2010年には「Dow Jones FASTech 50 Start-ups to Watch」や「20 Hot Silicon Valley Startups You Need To Watch」に選出され、2011年4月にはガートナーから「クールベンダー」に認定されました。さらに、2012年2月にはファストカンパニー誌から「最も革新的な企業の1社」に選ばれています。

Twilioの競合

Twilioは、クラウドコミュニケーションプラットフォーム市場で多くの企業と競合しています。具体的な競合企業については、詳細な情報が不足しているため、ここでは割愛します。

日本におけるTwilio

Twilio Japan合同会社は、日本国内でTwilioサービスを提供する電気通信事業者です。同社は、Twilioのコミュニケーションプラットフォーム、メール配信サービスのSendGrid、次世代のコンタクトセンタープラットフォームであるFlexなどの製品を提供しており、日本国内における営業、マーケティング、製品のローカライズなどを担当しています。

これらの活動を通じて、Twilio Japan合同会社は、日本市場でのTwilioサービスの普及と拡大を目指しています。

まとめ

Twilioは、クラウドベースのコミュニケーションプラットフォームを提供するリーディングカンパニーです。APIを通じて、開発者が電話、テキストメッセージ、ビデオなどの機能をアプリケーションに組み込むことを容易にし、多くの企業や開発者に利用されています。その革新的な技術とビジネスモデルは、業界内外から高く評価されており、今後も成長が期待されます。

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