Two Steps from Hellは、2006年にトーマス・バーガーセンとニック・フェニックスによって設立された、アメリカ・ロサンゼルスを拠点とするプロダクション・ミュージックレーベルです。映画予告編やメディア向けの音楽制作を専門としており、その楽曲は『ハリー・ポッター』シリーズや『パイレーツ・オブ・カリビアン』、『X-メン』など、数多くの有名作品の予告編で使用されてきました。
概要
Two Steps from Hellの最大の特徴は、オーケストラ音楽を2〜5分程度の短い時間で作曲しながらも、本来のオーケストラに匹敵するほどの壮大なサウンドを生み出す点にあります。この独自のスタイルが世界中で支持され、一般的には日の目を見ることが少なかったトレーラー音楽を広く知らしめるきっかけとなりました。
2006年、トーマス・バーガーセンとニック・フェニックスは、ライブラリーミュージックを共同で制作するためにTwo Steps from Hellを設立しました。バーガーセンは2003年にノルウェーからロサンゼルスに移住しており、フェニックスは1997年から映画予告編音楽の作曲家として活動していました。
設立当初から、数多くの映画やテレビ広告に使用される楽曲を制作し、トレーラー音楽制作会社として成功を収めました。しかし、2010年5月に初の商業アルバム「Invincible」をリリースするまで、一般には楽曲が流通していませんでした。このアルバムはiTunes Top 100 Soundtracksにランクインし、その後も多くのアルバムがUS Billboard Classical Albumsにランクインしました。特に「Battlecry」はBillboard 200にもランクインしています。
さらに、2014年7月にはフェニックスが執筆した小説「Colin Frake on Fire Mountain」が電子書籍としてリリースされ、サウンドトラックも発表されました。この小説は75,000語で構成されており、イラストはOtto Bjornikが担当しました。続編として2017年4月には「Colin Frake: Asclepius」もリリースされています。
Two Steps from Hellのメイングラフィックデザイナーはスティーブン・ギルモアであり、ロゴやアルバムカバーなどのデザインを多数手がけていますが、例外として2008年に公開されたボックスセットのアルバムカバーはPaul Zeaiterが制作しました。また、バーガーセンのソロアルバム「Illusions」はJesper Krijgsmanが、「Sun」はバーガーセン自身がアートワークを手がけています。
登場作品
Two Steps from Hellの楽曲は、映画、ビデオゲーム、テレビ番組など、様々なメディアで使用されています。
Two Steps from Hellの楽曲は、世界的なイベントからローカルコンサートまで、幅広い場面で使われています。例えば、UEFA EURO 2012の試合開始時やロンドンオリンピック (2012年)の決勝戦開幕時、2011 World Youth Dayのプロモーションビデオには「Heart of Courage」が使用されました。