Tz database

Time Zone Database (tz database)

Time Zone Databaseは、世界各国の標準時や常用時のタイムゾーン情報を集約しているデータベースです。元々はtz databaseと呼ばれ、IANA（Internet Assigned Numbers Authority）が管理しています。このデータベースは、主にコンピュータやオペレーティングシステムでのタイムゾーン管理のために設計されており、tzdb、tzdata、zoneinfo databaseなどとも呼ばれています。

歴史的背景

このプロジェクトは1980年代にアーサー・デイヴィッド・オルソンのもとで始まり、以後は多くのボランティアによって継続的に更新が行われてきました。そのため、オルソンデータベース（Olson database）とも称されることがあります。2011年以降はICANNのIANAが管理を引き継ぎ、ポール・エッガートとティム・ペアレンティが現在の編集者となっています。特に、ポール・エッガートが設計した統一的な命名規則により、例えば「America/New_York」や「Europe/Paris」といった形式でタイムゾーンが表記されています。

データ収集と構造

Time Zone Databaseは、1970年1月1日0時0分0秒（UTC）からのすべての標準時の変更や歴史的なデータを記録することを目的としており、夏時間や閏秒に関する情報も含まれています。データベースはテキストファイルとして提供され、人が読みやすい形式で遷移情報が一覧化されており、プラットフォームに依存しないようにバイナリファイルにコンパイルされます。

訴訟とIANA管理

2011年にアストロレーブが著作権侵害を巡ってオルソンとエッガートを提訴した際、タイムゾーンデータベースの維持管理が一時的に停止されましたが、訴訟が解決した後、循環しているだけでなく、2011年10月14日にIANAによって正式に管理が引き継がれました。IANAは、データベースの完全なコピーと管理計画をウェブ上で公開し、BCP 175に基づく新しい管理方針を発表しています。

タイムゾーンの定義と命名

Time Zone Databaseでは、タイムゾーンは地域内の時計が一貫して合った状態を指し、地名は「地域/地名」といった形式で定義されています。例えば、「America/Toronto」という表記が用いられます。このシステムでは、地域に応じてタイムゾーンが特定され、標準時だけでなく夏時間も同じタイムゾーン内で管理されることがあります。

利用と拡張

このデータベースは多くのオペレーティングシステムやプログラミング言語のタイムゾーン処理に利用されています。特にUnix系のシステムやWindows以外のOSでは広く使われており、Java、Python、PHPなどさまざまなプラットフォームで活用されています。また、データベース内でのタイムゾーン情報は、Unix系システムでは通常「/usr/share/zoneinfo/」ディレクトリに格納されています。

まとめ

Time Zone Databaseは、正確なタイムゾーン情報を提供することで、世界中のシステム時刻管理に重要な役割を果たしています。アーサー・デイヴィッド・オルソンの始めたこのプロジェクトは、現在も多くのボランティアと組織によって支えられ、信頼性の高いデータベースとして機能し続けています。

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