U型テレビ

『U型テレビ』：北海道の夕方を彩ったローカルワイド番組

2011年4月4日から2014年3月28日までの3年間、北海道文化放送（UHB）で放送された『U型テレビ』。この番組は、北海道の夕方のテレビ番組に新たな風を吹き込んだローカルワイド番組として記憶されています。当時、北海道の夕方ワイド番組は、札幌テレビ放送（STV）、北海道テレビ放送（HTB）、北海道放送（HBC）の3局が激しい視聴率競争を繰り広げていました。UHBは、1994年以来、長らく夕方ワイド番組を放送していませんでしたが、この状況を打破すべく、新たな番組の制作を決断したのです。

16年半ぶりの夕方ワイド番組復活

UHBが夕方ワイド番組を復活させる計画が明らかになったのは2010年12月。番組の顔として抜擢されたのは、情報番組『情報プレゼンター とくダネ!』などでリポーターとして活躍していた大村正樹氏でした。長年の経験と高い人気を誇る大村氏を起用することで、番組への期待感を高め、視聴者の注目を集める戦略だったと言えるでしょう。

番組名は『U型テレビ』。これは、あなた（You）の「U」、夕方の「U」、UHBの「U」という3つの「U」を組み合わせたものです。シンプルながらも番組のコンセプトを端的に表しており、親しみやすさと覚えやすさを両立したネーミングセンスが光ります。

時事情報と生活情報を融合した番組構成

『U型テレビ』は、既存の夕方ワイド番組とは一線を画す独自のスタイルを打ち出しました。政治・社会問題など、時事情報を中心に扱うワイドショー的な要素を取り入れつつ、生活情報やグルメ情報など、視聴者の日常生活に密着したコーナーも充実させていました。このバランス感覚は、幅広い年齢層の視聴者を取り込む上で重要な役割を果たしたと言えます。

番組では、視聴者参加型の企画も積極的に実施。「きょうのキブン」と題したアンケートコーナーでは、番組で取り上げた話題に関する質問に対し、視聴者が解答を選択。結果はその日の放送内で発表され、視聴者と番組が一体となって作り上げていくスタイルが特徴的でした。

多彩なキャスター陣と豪華ゲストコメンテーター

番組の成功には、キャスター陣とゲストコメンテーター陣の活躍も欠かせません。メインキャスターの大村正樹氏の他に、UHBのアナウンサーである水野悠希氏、八木隆太郎氏らも出演。さらに、各曜日にはジャーナリストの上杉隆氏、野球評論家の金村曉氏、ライターの井上美香氏など、それぞれの分野で活躍する専門家や著名人がゲストコメンテーターとして登場。彼らの知見と個性あふれるコメントが、番組に深みと魅力を与えていました。

番組の進化と終了

放送開始当初は時事情報を中心に構成されていましたが、放送期間中は視聴率や時代の流れを反映し、生活情報やグルメ情報を扱うコーナーの新設、既存コーナーの廃止や変更、キャスターやコメンテーターの配置換えなど、番組内容の改善やテコ入れも積極的に行われました。

しかし、2014年3月28日をもって『U型テレビ』は番組終了。そして、UHBの平日午後のローカルワイド番組は、14時から19時までをカバーする新たな編成に移行することになります。後継番組は『U型ライブEXPRESS』『U型ライブ』『Super NEWS U』と、大村氏や水野氏も出演する番組が編成されました。しかし、『U型ライブEXPRESS』は半年で終了。その後、14時台はドラマ再放送枠となりました。

音楽も番組を彩る重要な要素

『U型テレビ』では、メインテーマ曲やエンディングテーマ曲にもこだわっていました。DAISHI DANCE、FreeTEMPOといった人気アーティストの楽曲が使用され、番組全体の雰囲気作りに貢献していました。エンディングテーマもTRIPLANE、井手綾香、RAM WIREなど、多くのアーティストの楽曲が使用され、視聴者に様々な音楽を提供しました。

番組広告と広報活動

UHBは、番組の宣伝にも力を入れました。札幌駅前通地下歩行空間の大通駅側入口には巨大な番組広告が設置されるなど、積極的なプロモーション活動が展開され、番組認知度の向上に寄与しました。また、ラジオ番組での宣伝や、番組制作の裏側を紹介するミニ番組も放送されました。

まとめ

『U型テレビ』は、北海道の夕方のテレビ番組に新たな選択肢をもたらし、視聴者から高い支持を集めたローカルワイド番組でした。時事情報と生活情報のバランス、視聴者参加型の企画、そして個性豊かなキャスター陣とゲストコメンテーター陣の活躍は、番組を成功に導いた大きな要因と言えるでしょう。番組は終了しましたが、北海道のテレビ史にその名を刻む存在として、記憶に残る番組でした。

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