U.S.A. (曲)

「U.S.A.」：時代を超えて愛されるユーロビートの名曲

「U.S.A.」は、1992年にイタリアの歌手ジョー・イエローによって発表されたユーロビートの楽曲です。日本では、1997年にコンピレーションアルバムに収録されたのを皮切りに、様々なアルバムに収録されました。2019年には、JASRACの楽曲別著作権使用料分配額で年間1位を獲得し、2020年にはJASRAC賞を受賞するなど、海外作品ながら日本でも非常に高い人気を誇っています。

DA PUMPによるカバー：新たな息吹

2018年、日本のダンスボーカルグループDA PUMPが、この「U.S.A.」をカバーし、再び大きな注目を集めました。DA PUMPにとって初のユーロビートへの挑戦であり、約3年半ぶりのシングルリリースとなりました。

カバーの背景

DA PUMPがカバーに至った背景には、所属事務所であるライジングプロダクションの平哲夫社長の構想がありました。荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」が盆踊りで使用され、再評価されていたことや、YouTubeで話題になった登美丘高校ダンス部のパフォーマンスからユーロビートとダンスの親和性に気づいたことがきっかけです。その中で、DA PUMPのパフォーマンスとISSAの歌声に合う曲を探した結果、「U.S.A.」が選ばれました。

ISSAは、当初この選曲に戸惑いを感じたものの、最終的には完璧なパフォーマンスを目指すことで、曲への取り組み方が変わったと語っています。日本語詞は、原曲の歌詞の韻を踏襲しながらも、1960年代から70年代のアメリカに憧れる少年をイメージした内容になっています。

ミュージックビデオと振り付け

ミュージックビデオは、多田卓也が監督を務め、視覚的な演出が際立っています。振り付けはKENZOとTOMOがメインで担当し、覚えやすく、誰もが真似しやすいことを意識して制作されました。動画公開後、わずか3日で50万回再生を突破し、その後も再生回数を伸ばし続け、最終的には2億回再生を超えました。

特に、「いいねダンス」と「インベーダーダンス」は、SNSを中心に話題となり、多くの人がダンス動画を投稿しました。アメリカ海兵隊もこの曲に合わせて踊る動画を公開するなど、その人気は社会現象となりました。

反響と評価

DA PUMPの「U.S.A.」は、「ダサかっこいい」と評され、幅広い層から支持を集めました。過去のハロー!プロジェクトの楽曲に似ているという声も上がり、ハロプロファンがコールを作ったり、リリースイベントに駆けつけるなど、異例の現象も起こりました。

また、多くの著名人がこの曲を評価しており、近田春夫は振り付けの面白さを、増田聡はアメリカ文化への郷愁と解釈しました。古知屋ジュンは、ライジングプロダクションの遊び心が詰まったコンテンツだと述べ、替え歌のプロデューサーである小出一之は、替え歌のしやすさもヒットの要因だと分析しています。

多様な展開

この曲は、テレビ番組やCMなど様々なメディアで使用され、替え歌やカバーも多数生まれました。SoftBankのCMでは、替え歌が使用され、年末の音楽特番では、過去のヒット曲とのメドレーや、氣志團とのコラボレーションも実現しました。また、第69回NHK紅白歌合戦では、16年ぶりに出場を果たすなど、年末の音楽シーンを席巻しました。2020年には、「コレナンデ商会」でも歌われるなど、その人気は衰えることを知りません。

受賞歴

「U.S.A.」は、第60回日本レコード大賞で優秀作品賞と特別賞を受賞し、その功績が認められました。

リリースイベント

DA PUMPは、リリースイベントを各地で開催し、多くのファンを魅了しました。その様子は、音楽史に深く刻まれています。

まとめ

「U.S.A.」は、原曲の魅力を生かしつつ、DA PUMPの個性と創造性が融合した、まさに時代を象徴する一曲です。ダンス、音楽、そして社会現象に至るまで、様々な角度からその魅力を語り尽くせない、まさに「現象」と呼ぶにふさわしい一曲です。

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