U47 (潜水艦・2代)

U47：伝説のUボート

U47は、第二次世界大戦中にドイツ海軍が運用したVIIB型Uボートです。1938年12月17日に就役し、ギュンター・プリーン艦長の指揮下で第7潜水隊群に配属されました。U47は、その短い生涯の中で、数々の輝かしい戦果を挙げ、その名はUボート史に深く刻まれています。

艦歴

U47は、10回の哨戒出撃で、イギリスの戦艦ロイヤル・オークを含む31隻の船舶を撃沈し、8隻に損傷を与えました。これは、第二次世界大戦におけるUボートの中でも屈指の戦果であり、U47は最も成功したUボートの一つとして位置づけられています。

しかし、その輝かしい戦歴も長くは続きませんでした。1941年3月、U47は北大西洋のロッコール近海で消息を絶ちます。その原因は、イギリス駆逐艦による攻撃であると考えられていますが、公式な記録はなく、現在もその最期は謎に包まれています。

主な戦歴

第1哨戒 (1939年9月)

開戦直後の哨戒では、イギリスの貨物船ボスニア、リオカルロ、ガルタボンを撃沈。合計8,270トンの戦果を挙げました。

第2哨戒 (1939年10月)

U47の最も有名な戦果は、第2哨戒におけるスカパ・フロー襲撃です。イギリス海軍の主要基地であるスカパ・フローに侵入し、戦艦ロイヤル・オークを撃沈。この功績により、プリーン艦長は「スカパ・フローの雄牛」の異名を与えられ、騎士鉄十字章を受章しました。

第3哨戒 (1939年11月-12月)

北海で哨戒を行い、ナバソタ、ブリッタ、タジャンドエンを撃沈。

第4哨戒 (1940年3月)

デンマークの蒸気商船ブリッタを撃沈。

第5哨戒 (1940年4月)

イギリス戦艦ウォースパイトを攻撃するも失敗。

第6哨戒 (1940年6月-7月)

アイルランド南海岸沖でウルフパック戦術を展開し、8隻の敵船を撃沈。

第7哨戒 (1940年8月-9月)

イギリス諸島の北を航行し、北大西洋で6隻の敵船を沈め、1隻に損傷を与えました。

第8哨戒 (1940年10月-11月)

4隻の敵船を沈め、さらに2隻に損傷を与えました。

第9哨戒 (1940年11月-12月)

3隻の船に損害を与え、1隻を撃沈。

第10哨戒 (1941年2月-3月)

北大西洋で消息不明。

スカパ・フロー襲撃

U47の最大の功績は、何と言ってもスカパ・フロー襲撃でしょう。1939年10月14日、U47はイギリス海軍の主要基地であるスカパ・フローに侵入し、戦艦ロイヤル・オークを撃沈しました。この作戦は、当時のドイツ国民を大いに沸かせ、プリーン艦長は英雄として迎えられました。また、この作戦以降、U47の司令塔には、鼻を鳴らす雄牛のエンブレムが描かれるようになり、これは第7潜水隊群のエンブレムとなりました。

その後

U47は、1941年3月に北大西洋で消息を絶ちました。その原因は、イギリス駆逐艦ウォルヴァラインまたはヴェリティによる攻撃であると考えられていますが、確証はありません。U47の乗組員は全員死亡したと推定されています。

U47は、その短い生涯の中で、数々の輝かしい戦果を挙げ、Uボート史に名を刻みました。ギュンター・プリーン艦長の指揮下、大胆な戦術と卓越した技量で敵を翻弄し、多くの船舶を海底に沈めました。その活躍は、映画化もされ、現在も多くの人々に語り継がれています。

関連作品

* 映画「U47出撃せよ」（1958年、西ドイツ）

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