U511 (潜水艦)

U511の概要

U511はドイツ海軍の潜水艦で、IXC型の一艦です。1941年に起工され、1942年に就役しました。その後、第二次世界大戦中に日本側へ譲渡され、呂号第五百潜水艦として名を変えました。今回は、U511の艦歴や戦果について詳しく見ていきましょう。

艦歴

U511は1941年2月21日にハンブルクのドイチェ・ヴェルフトで起工され、同年12月8日に正式に就役しました。艦長にはフリードリッヒ・シュタインホフ大尉が任命され、第4潜水隊群に属して訓練を行いました。1942年には対地ロケット弾発射実験も実施され、一定の成功を収めましたが実用化には至りませんでした。

その後は第10潜水隊群に配属され、通商破壊戦に従事しました。U511時代にはフリッツ・シュネーヴィント大尉が艦長に就任し、4回の哨戒任務を行いました。

1回目の哨戒

1942年7月16日にキールを出航し、カリブ海へ向かう途中、グアンタナモ湾付近で米国の商船団に対して魚雷攻撃を行い、2隻を沈めました。これにより、U511は多くの戦果を挙げ、その名を知られるようになりました。

2回目の哨戒

同年10月24日にはロリアンからアフリカ北西部の哨戒に出航しましたが、艦長の病気により成果は上がりませんでした。

3回目の哨戒

1942年末には新たに艦長が就任し、北大西洋での任務に従事。英貨客船を撃沈し、再び戦果を手にしました。

4回目の哨戒

最終的に日本への寄贈のための航海に出て、膨大な物資を積載して南方へ進みました。無償譲渡を考えていた日本側と、有償と理解していたドイツ側との間に意見の相違が生じましたが、最終的にはヒトラーの指示で譲渡が決定されました。

日本海軍での活躍

1943年9月に日本へ編入され、呂号第五百潜水艦と名付けられました。ここから日本海軍の訓練や業務に従事し、技術や知識の交流がなされました。特に溶接技術や防振対策などが得られ、これらは日本の潜水艦設計に活かされました。

戦果

U511は戦闘において計5隻、総トン数41,373トンを撃沈した実績を持ち、日本の潜水艦隊にも影響を与えました。また、多くの商船に損害を与えるなど、その戦績は非常に重要でした。

終戦とその後

1945年にはソ連の参戦を受け、出撃準備が進められていましたが、最終的には終戦を迎えました。その後、アメリカ海軍に接収され、1946年に沈められました。

発見

2018年には、U511の船体が若狭湾にて水深約90メートルの地点で確認され、注目を集めました。

U511はその艦歴を通じて、多くの戦果を挙げ、技術の進歩にも寄与した重要な潜水艦として歴史に名を刻んでいます。

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